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社会保険適用拡大による変更点とは?社労士がスマート解説!

2022年10月に社会保険適用拡大に関する法律改正が施行されたことに伴い、家族の扶養から抜けないといけなくなった!という方もいらっしゃるのでしょうか。

このように実際に影響を受けた方もそうでない方も、そもそも今回の法律改正で一体どんな変更点があったかご存知でしょうか。

このブログでは、あらためてどのように制度変更がされたのかを社労士が分かりやすく解説していきます。

目次

社会保険適用拡大の導入前後でどう変わった?

改正内容を把握するため、法改正前の制度と比較していきましょう。(参考:日本年金機構HP

令和4年10月からの改正

◆「特定適用事業所」の要件
(変更前)被保険者(短時間労働者を除く)の総数が常時500人を超える事業所
(変更後)被保険者(短時間労働者を除く)の総数が常時100人を超える事業所

◆「短時間労働者」の適用要件
(変更前)雇用期間が1年以上見込まれること
(変更後)雇用期間が2カ月を超えて見込まれること※(通常の被保険者と同じ)

特に上段の変更による影響が大きく、これまでは500人超えの企業に対してのみ適用されていたルールが100人超え企業へとハードルがぐっと下がったことで社会保険加入対象となる方の範囲が広がりました。

社会保険適用拡大はどうして導入されたの?

ここで「なぜ社会保険の適用範囲を拡大させる必要があったのか?」といった疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
この質問に対する答えは日本年金機構によるQ&Aにまとめられています。
そこでは、以下のように回答されています。(抜粋にてご紹介します)

Q.なぜ被用者保険の適用拡大を進める必要があるのか
A.政府においては、これまでも法律改正を通じて、短時間労働者に対する厚生年金・健康保険の適用拡大(以下「適用拡大」という。)の取組を進めてきており、その意義については、以下の点にあるとされています。
①被用者でありながら国民年金・国民健康保険加入となっている者に対して、被用者による支えあいの仕組みである厚生年金保険や健康保険による保障を確保することで、被用者にふさわしい保障を実現すること。
②労働者の働き方や企業による雇い方の選択において、社会保険制度における取り扱いによって選択を歪められたり、不公平を生じたりすることがないようにすること等により、働き方や雇用の選択を歪めない制度を構築すること。
③適用拡大によって厚生年金保険の適用対象となった者が、定額の基礎年金に加えて報酬比例給付による保障を受けられるようになること等を通じて、社会保障の機能を強化すること


難しく表現されていますが、要するに健康保険制度や厚生年金保険制度による恩恵(たとえば障害年金傷病手当金など)を受けられるか否かが、働き方によって差がつかないような制度へと段階的に変更しているということです。

社会保険適用拡大の今後の展望

上で紹介したような狙い(働き方によって制度対象となるか否かが分かれないような制度構築)があるため、今後も段階的に適用拡大は進んでいくとされています。
すでに現時点で令和6年10月以降の改正が公表されており、この令和6年10月の改正では、以下のような変更が起こります。

令和6年10月~
「特定適用事業所」の要件
被保険者の総数が常時50人超
さらに該当する労働者が増えることが想定されますね。
社会保険被保険者となることによって先述の保障を受けることが出来るのは利点ですが、家族の扶養から抜けることに抵抗を持つ方も一定数いることも事実です。
仮に扶養要件を満たす状況(年収130万円未満など)にあったとしても、扶養で居続けるか勤め先で社会保険に加入するかについては選択の余地がなく、加入一択となるのでこの点は要注意ですね。

おわりに

今回は労使ともに関心の高いトピックとしてブログテーマに選んでみましたがいかがでしょうか。
法改正を機に被保険者に該当する方は、社会保険制度について今一度調べてみることをオススメします。

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