配偶者加給年金(配偶者加算)の要件を理解していますか?社労士による障害年金解説シリーズ。
配偶者加給年金として、障害(厚生)年金には+αで加算額がつくことをご存知ですか?
前回のブログでご紹介した子の加算額と同様、加算には条件があります。
また、「障害年金」といっても、障害基礎年金ではなく障害厚生年金にのみ設けられた制度であることも大きなポイントです。
じゃあそもそも障害厚生年金って障害基礎年金とどう違うの?といった疑問にも答える内容となっているので、障害年金に詳しくないといった方にも読みやすくお届けしています。
配偶者加給年金は、障害を負った中で家族(配偶者)の生活も守っていかないといけない・・・といった負担に寄り添うような制度です。
ぜひ、最後までお読みください!
目次
配偶者加給年金は障害厚生年金のみの制度
前回のブログで、生計維持している子供がいる場合に加算される「子の加算」についてご紹介しました。
そこでも重要なポイントとして触れましたが、障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2つの年金制度があり、子の加算はそのうち「障害基礎年金」にのみ設けられた制度でしたよね。
今回ご紹介する「配偶者加給年金」といった加算制度は「障害厚生年金」にのみ設けられたものになります。
年金制度は「2階建て」とよく例えられますが、基礎年金という名の通り“基礎”として1階部分に基礎年金があるところに、2階部分として厚生年金が上乗せされるような造りになっています。
そしてその厚生年金というのは、会社員や公務員などに対する被用者年金として設けられている年金制度です。
(参考:公的年金制度の種類と加入する制度 日本年金機構HP)
配偶者加給年金の対象となる配偶者の要件について
それでは、配偶者加給年金の対象となる「配偶者」の要件とはどんなものなのか見ていきましょう。
◆本人に求められる要件◆
・初診日時点で厚生年金に加入していて、障害厚生年金の1級又は2級の受給権者であること(3級は対象外)
・配偶者と生計同一関係があること
◆配偶者に求められる要件◆
・年収が850万円未満または所得が655.5万円未満であること(配偶者に十分な収入があると加算対象とならないため)
・配偶者が年金(障害年金/老齢年金/退職年金など)を受け取っている状態でないこと(この場合も配偶者に十分な収入があるとみなされるため)
・65歳未満であること
配偶者加給年金の金額は?
気になる「配偶者加給年金」の加算額ですが、ずばり年間「224,700円×改定率」です。
改定率は毎年改定が加えられるので実際の年金額には多少の変動が発生します。
1ヶ月あたりの加算額ではなくあくまでも年間総額がこの金額ですので、振込スパンや月にならすと本当に微々たる額ではあるのですが、経済的負担軽減のためにもらえるのであればもらいたいものですね。
そのためにも、自身が要件を満たすのかを把握するのが大切ですね。
おわりに
本日のいかがだったでしょうか。夫婦のいずれかのみの収入で生計を維持しているケースで、その大黒柱が障害を負って仕事ができなくなってしまったら大変ですよね。
また、いまや夫婦でちからを併せて二馬力で家計を維持しているのも珍しくないなか、片方の収入が途絶えても生活が受けるダメージは大きいはず。
そんな夫婦を社会保障として支えるため、配偶者加給年金は存在しています。
ご紹介した通り障害厚生年金にのみ設けられた制度ではありますが、少しでも加算があると心強いですよね。
今回の配偶者加算のように、厚生年金被保険者ならではのメリットがあることをもっと皆さんに知っていただきたいといった想いもこめて、今回は配偶者加給年金についてブログをお届けしました。
これからも週に1度、みなさんのお役に立てるよう様々な角度からテーマを選定してブログを更新していきます!ぜひまたご覧いただけると嬉しいでです!