マイナ保険証って結局なに?メリットや必要な準備について
マイナ保険証(健康保険証はマイナンバーカードを基本とする仕組み)がいよいよ本格始動します。
本格始動といっても制度自体は始まっており、すでに切り替え済みの方もいらっしゃいますよね。
本格始動と表現したのは、ついに2024年12月2日から現行の健康保険証は新規発行されなくなってしまうからです。
今手元にある保険証(2024年12月2日時点で有効な健康保険証)は、経過措置期間として最長1年間使用することができるとされてはいるものの、順次切り替えを推奨されているのはすでにみなさんご存知のことと思います。
今回のブログでは、そんなマイナ保険証をテーマにお届けします。
マイナ保険証への切り替えをなんとなく先延ばしにしていた方、いまいちマイナ保険証の仕組みを理解できていない方にとって役立つ情報になれば幸いです。
ぜひ、最後までお読みください。
目次
マイナ保険証の概要
マイナ保険証の概要をまずは把握しましょう。厚生労働省のHPでは、以下のように説明がされています。
マイナンバーカードを医療機関・薬局で健康保険証として利用することができます。
利用の際は顔認証付きカードリーダーで受付を行います。
顔認証付きカードリーダーを利用することで、これまでよりも正確な本人確認や過去の医療情報の提供に関する同意取得等を行うことができ、より良い医療を受けることができます。
また、概要の説明として公式動画も公表されています。
厚生労働省の公式説明や公式動画を見る限りとても便利な良い制度に思えますが、普及の状況はどうなのでしょうか?
マイナ保険証の普及状況
マイナ保険証の普及状況を、【マイナ保険証の利用登録をしたか?】にフォーカスした【利用登録率】と、【実際にマイナ保険証を利用したか?】にフォーカスした【利用率】から確認してみましょう。(いずれも厚生労働省 保険局による令和6年2月29日第175回社会保障審議会医療保険部会の資料『マイナ保険証の利用促進等について』より)
※後の章で述べますが、マイナ保険証はマイナンバーカードを保有していることが前提となります。
マイナンバーカードの保有自体がまだ100パーセントではない(令和6年1月末時点で全人口の73.1%)なか、マイナンバーカード保有者のうち77.9%がマイナ保険証の利用登録をしているといった解釈になります。
※利用なのでもちろん月ごとに利用率に変動はあります。
【いままでにマイナ保険証を利用したことがありますか?】といった【利用経験】でみると、令和6年2月調査ではマイナ保険証利用登録者の約4人に1人が利用経験ありという結果が出ています。
マイナ保険証の普及状況は上述した通りですが、マイナ保険証の利用が進まない理由として、興味深いニュースを目にしました。
この動画を作成したのは大阪府下の開業医6000人が加入している大阪府保険医協会なのですが、マイナ保険証に伴う現場トラブルが多く困りごとも多いようです。
マイナ保険証のメリットとは?
マイナ保険証のメリットは、冒頭でご紹介した厚生労働省HPでの「マイナ保険証の概要」で触れられていた通り、“正確な本人確認や過去の医療情報の提供に関する同意取得等を行うことができ、より良い医療を受けることができる”というのが知られているところかと思います。
実は、そもそも国は「医療DX」なるものを掲げており、その基盤を担うのがマイナ保険証(オンライン資格確認)なのです。
マイナ保険証を基盤とした医療DXが進むことによって医療情報の共有・連携が生まれ、結果としてより良い医療を受けられるといった仕組みです。
こういった背景でマイナ保険証の普及を進めているわけですが、利用者個人によるメリットとしては大きく次の3点が挙げられています。
これは冒頭でも述べたことと重複しますが、最も大きなメリットといえます。
具体的には、過去のお薬情報や健康診断の結果を見られるようになるため、身体の状態や他の病気を推測して治療に役立てることができます。
また、お薬の飲み合わせや分量を調整してもらうことにも役立ちます。
紙の保険証よりも、皆さまの保険料で賄われている医療費を20円節約でき、自己負担も低くなります。
限度額適用認定証等がなくても、高額療養費制度における限度額を超える支払が免除されます。
医療DXとは?
(厚生労働省HPより)
医療DXとは、保健・医療・介護の各段階(疾病の発症予防、受診、診察・治療・薬剤処方、診断書等の作成、診療報酬の請求、医療介護の連携によるケア、地域医療連携、研究開発など)において発生する情報やデータを、全体最適された基盤(クラウドなど)を通して、保健・医療や介護関係者の業務やシステム、データ保存の外部化・共通化・標準化を図り、国民自身の予防を促進し、より良質な医療やケアを受けられるように、社会や生活の形を変えることです。
世界に先駆けて超高齢社会に直面する中、国民の健康寿命の延伸を図るとともに、社会保障制度を将来にわたって持続可能なものとし、将来世代が安心して暮らしていけるようにしていくことが、今後の我が国の継続的な発展のために不可欠です。
医療DXは、医療分野でのデジタル・トランスフォーメーションを通じたサービスの効率化や質の向上により、
①国民の更なる健康増進
②切れ目なくより質の高い医療等の効率的な提供
③医療機関等の業務効率化
④システム人材等の有効活用
⑤医療情報の二次利用の環境整備
の5点の実現を目指すものであり、我が国の医療の将来を大きく切り拓いていくものです。
医療DXの実現に向け、「医療DXの推進に関する工程表」に基づき、
①全国医療情報プラットフォームの創設
②電子カルテ情報の標準化等
③診療報酬改定DX
を3本の柱とし、取組を進めています。
マイナ保険証に切り替えるための準備
マイナ保険証への本格的な切り替えにあたって、繰り返しにはなりますが、“令和6年12月2日以降、保険証の新規発行が停止”されることになっています。
その後1年間は発行済み保険証も使用可能ではあるものの、令和6年12月2日を迎えるまでの間にマイナンバーカードでの保険証利用登録を進めておけるとスムーズですよね。
利用登録には、既にマイナンバーカードを持っているか否かで必要となる手続きが異なってくるので、マイナンバーカードをまだお持ちでない方は注意が必要です。
(マイナンバーカードの申請手続きについてはコチラ)
また、令和6年12月2日まではマイナ保険証の利用登録可否に関わらず保険証は発行されるため、企業側としては入退社等に伴う健康保険証の配布/回収の手間は引き続き掛かってしまうのも注意点ですね。
「資格情報のお知らせ」が届きます
協会けんぽ資料で詳細が紹介されている通り、9月以降、協会けんぽから事業主宛に「資格情報のお知らせ」が届きます。
お知らせは会社に届くので、従業員(被保険者)に配布しましょう。
おわりに
マイナ保険証についての気になるアレコレをまとめてお届けしました。
マイナ保険証について広報活動がされたころは賛否両論で、情報管理面で不安を感じる声も聞こえてくるなど、不安要素もありしばらく様子を見ていた方も多いのではないでしょうか。
本格的な切り替えはまだまだ先のように思えて先延ばしにしていた方も、ついに12月には保険証の新規発行が停止されるとなると対応を考えていかないといけませんね。
このブログがマイナ保険証について思い出すきっかけになり、お役立ていただけると幸いです。
今回のような時事ネタのほかにも様々なテーマで情報発信しています。週に1回の頻度でブログを更新しているので、ぜひご覧いただけると嬉しいです!