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勤務間インターバル制度とは?導入メリットと実務対応を解説

近年、勤務間インターバル制度をめぐる動きが大きく変わりつつあります。
厚生労働省の検討会(労働基準関係法制研究会等)では、2026年以降の労働基準法改正を見据え、勤務間インターバル制度の義務化も含めた議論が進められています。現時点では努力義務にとどまっていますが、今後は「対応している企業」と「していない企業」で実務負担や評価に差が生じる可能性も否定できません。こうした流れの中で、勤務間インターバル制度は「余裕のある企業だけの取り組み」ではなく、将来的な法改正を見据えた準備事項として注目されています。

働き方改革の一環で知られるようになった「勤務間インターバル制度」。前日の終業から翌日の始業までに一定の休息時間を確保する仕組みで、従業員の健康確保や長時間労働の是正に大きな効果があるといわれています。しかし、中小企業では制度の必要性は理解しつつも「シフトが組めない」「何時間休ませればよいのか」など、導入に迷うケースも少なくありません。

本記事では、勤務間インターバル制度の基本、導入メリット、実務での注意点をわかりやすく解説します。

目次

勤務間インターバル制度とは?仕組みと法的位置づけ

勤務間インターバル制度とは、「終業時刻から次の始業時刻までに一定の休息時間を設ける仕組み」です。例えば、終業が22時でインターバルを11時間とした場合、翌日の始業は午前9時以降でなければなりません。

日本では EU の規定(最低11時間休息)が参考にされ、努力義務として導入が進んでいます。現状、法律で導入が義務付けられているわけではありませんが、厚生労働省は“労働時間等設定改善指針”の中で、企業に対してインターバル導入の検討を求めています。また、助成金制度(勤務間インターバル導入コース)も整備されており、一定の条件を満たせば導入費用の一部を補助する仕組みもあります。

この制度は「長時間労働の是正」「健康障害の防止」を目的としており、企業にとっても従業員にとってもメリットが大きい制度として評価されています。

勤務間インターバル制度の導入メリット

勤務間インターバル制度を導入する最大のメリットは、従業員の健康確保につながる点です。睡眠不足や疲労蓄積は、パフォーマンス低下だけでなく、労災リスクやメンタル不調にも直結します。十分な休息時間を制度的に確保することで、従業員が安心して働ける環境を整えられます。

また、インターバル制度は「働き方改革に前向きな企業」というイメージの形成にも寄与します。採用市場では、労働時間管理が適正な企業ほど応募者からの評価が高く、離職率の低下にもつながります。さらに、シフト制職場では「連勤で疲労が抜けない」「早番と遅番が連続してつらい」といった不満を解消する効果があり、労使関係の安定にも貢献します。

助成金の活用によって導入コストを抑えられる点も中小企業にとってはメリットです。制度導入が企業文化の改善にも波及し、長期的な労務リスク軽減が期待できます。

制度導入の際に注意すべき実務ポイント

勤務間インターバル制度を導入する際は、まず「インターバル時間」を明確に設定する必要があります。厚労省は11時間以上を推奨していますが、業態に応じて8〜10時間で設定する企業もあります。重要なのは、負担になりすぎず、かつ効果が得られるバランスをとることです。

次に、 運用ルールの細部を詰めること が不可欠です。例えば、(1)緊急時の取り扱い、(2)インターバルにより勤務が後ろ倒しになる場合の給与計算、(3)シフト作成ルールの変更、(4)兼業・副業者への適用方法などです。とくに医療・介護・運送業などのシフトが複雑な業種では、うまく組まないと人員過不足が生じやすいため注意が必要です。

就業規則への明記も必須です。制度の目的・適用範囲・インターバル時間・例外的な扱いなどを記載し、従業員へ周知することで、制度の公平性と実効性を高めることができます。

勤務間インターバルをうまく運用するためのポイント

制度導入後のポイントは、 運用の“形骸化”を防ぐこと です。就業規則でインターバル時間を決めても、実際には守られていないという職場は少なくありません。勤怠システムの設定を見直し、「インターバル未確保」が発生した場合にアラートが出るようにするなど、仕組みとして担保することが重要です。

また、管理職への教育も欠かせません。シフト作成者が制度の意味を理解していないと、結果的に従業員の負荷が変わらないままになってしまいます。業務量の偏りが生じていないか、長時間労働者が発生していないか、定期的にモニタリングし、必要に応じて改善を図ることが望まれます。

さらに、従業員からの声を反映させることで制度の定着が進みます。「早番・遅番の連続を避けたい」「育児と両立しやすくなった」などの意見を拾い上げ、改善に活かすことで、働きやすい職場づくりにつながります。

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