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休職者の復職支援ガイド|主治医・産業医との連携ポイント

休職者の円滑な復職は、企業にとって重要な労務課題の一つです。とくにメンタルヘルス不調や長期療養を経た復職では、本人の意向の確認のほか、主治医・企業担当者(および産業医)の認識が揃っていないと、再休職リスクが高まりかねません。本記事では、休職から復職までの流れ、医療機関との連携のポイント、復職後のフォローアップの方法をわかりやすく解説します。また、「両立支援コーディネーター」の立場から現場で役立つ実務の視点も交えてお伝えします。

目次

休職〜復職の基本的な流れと企業の役割

休職者の復職支援は、単なる「職場復帰の可否判断」だけでなく、本人の健康状態や職場環境を踏まえたプロセス設計が欠かせません。
一般的には、①休職開始、②主治医治療、③職場との定期的な連絡、④復職可能の診断書提出(および復職判定会議)、⑤リハビリ出勤・試し出勤、⑥本復職、という流れをたどります。企業の役割は、本人の状況を把握しながら、復職までの「橋渡し役」を担うことです。

重要なのは、休職者本人に負荷をかけすぎず、しかし曖昧にせず、適切な情報管理のもとで進めること。
休職期間中は放置するのではなく、定期的な連絡を取りつつ、復職に向けた制度・体制を整える必要があります。また、就業規則に定める休職期間や、復職の判断基準を明確にしておくことは、トラブル防止に大きく寄与します。

主治医と企業(産業医)の連携が不可欠な理由-両立支援コーディネーターとは?

復職支援で最も重要なのは、主治医と企業(産業医)双方の役割の違いを理解し、情報共有を適切に行うことです。
主治医は「治療の専門家」として、症状の安定度や治療の進捗から復職可否を判断します。一方、企業(産業医)は職場環境・業務内容を踏まえ、「安全に就労できるか」を評価します。この両者の見解が一致していないと、復職後に再発・再休職のリスクが高まります。

そこで、主治医と企業(産業医)の情報をつなぐ存在として本人の助けになるのが「両立支援コーディネーター」の存在です。

両立支援コーディネーターは医療側(主治医・病院のMSW)と企業側(産業医・衛生管理者・人事労務担当者)をつなぐ “中間支援者” の役割を担う専門人材です。実際の治療の現場では、職域との連携に十分な時間を割けず、また企業側でも医療との橋渡しが適切に行われないことが多いという課題があります。この「連携の空白」を埋めるのが両立支援コーディネーターです。

復職判定から復職後フォローまでの実務ポイント

復職が現実味を帯びてきたら、企業は「復職判定会議」や「リハビリ勤務の計画」を具体化します。復職判定では、主治医・産業医の意見、本人の希望、職場の受け入れ体制を踏まえた総合判断が必要です。特に、メンタル不調のケースでは、業務負荷の調整や上司・同僚との関係が復職成功の鍵を握ります。

復職直後は、無理のないペースで馴染ませる「段階的復帰」が重要です。短時間勤務から開始し、体調やストレス状況を確認しながら業務量を調整します。また、産業医の定期フォロー、上司による月次面談、人事担当者による状況把握など、複数の視点から見守る仕組みが有効です。復職を「ゴール」とせず、安定した就労継続を支えることが企業に求められる本質的な役割といえます。

企業が整備すべき復職支援体制のまとめ

休職者の復職支援は、企業・医療・本人の三者が協力し、情報を適切に共有しながら進めることが成功の条件です。そのためには、就業規則に復職基準やリハビリ勤務制度を明記し、産業医との連携ルールを整備し、上司・人事・産業医の三者でフォローする運用を確立することが欠かせません。

加えて、医療と職域をつなぐ両立支援コーディネーターの知識・視点を取り入れることで、より現場に寄り添った支援が可能になります。とくに中小企業では、復職支援体制が属人的になりやすいため、外部の専門家を活用したり、支援スキルを持つ職員を育成することが効果的です。

復職支援は「個別対応」の積み重ねで成り立ちますが、その背景にしっかりとした仕組みがあってこそ、再休職の防止や職場への定着が実現します。企業の労務リスク管理の観点からも、復職支援体制の整備は非常に大きな意義があります。

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