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ヤングケアラーってどんな存在?悩みや必要な支援について考えよう

ヤングケアラーという言葉を耳にするようになって、だんだんとその存在が知られるようになったかと思います。

ヤングケアラーとは、親に代わって兄弟姉妹の世話をしたり家事を担ったり、病気や障害で介護状態にある両親や祖父母、あるいは何らかの依存症等を抱える家族のケア(世話)をして過ごすなど、一般的には担うことのない役割を負わざるを得ない生活を強いられた若者を指す言葉です。

ヤングケアラーという言葉が広く浸透する前から、そういった若者の存在は確実にあったはずですが、家庭内の問題として表面化しづらかったり、同じ境遇の人が周囲に見つけづらいため相談の機会を得にくかったり、ヤングケアラーが抱える負担や悩みは認識されづらいという一面がありました。

ヤングケアラーとして自分の時間の大半を家族のために捧げることで、本人に過度な心身の負担がのしかかるだけでなく、学習の機会を失ったり社会との接点が絶たれたりと、家族の世話に従事している期間だけでなく、尾を引く問題につながりかねません。

今回のブログでは、ヤングケアラーの実態について触れ、ヤングケアラーが抱える問題とそれに対する支援を知ってもらえる内容にまとめています。

理解を深めていただく一助になれると嬉しく思いますので、ぜひ最後までお読みください。

目次

ヤングケアラーとは

ヤングケアラーと聞いて、みなさんはどんな想像をしますか?後述する参考図書によると、ヤングケアラーとは「本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子ども」を指しており、この役割による負担から本来子どもが送るべき生活(学業や友人関係)に影響が出てしまっているような存在をいうようです。
他者を世話(ケア)する若年層=ヤングケアラーとして、18歳未満を想定して使用されることがありますが、社会課題としてのヤングケアラーは特に年齢で区切らずに捉えるのが良いでしょう。
というのも、18歳を超えて大人になればその人のヤングケアラーとしての問題は解決するのかといえばそうではなく、ヤングケアラーとして育った環境から受けた影響は大人になっても続くものだからです。

参考書籍:ヤングケアラーの歩き方 家族グレーゾーンの世界を理解する本

今回ヤングケアラーについて扱うにあたって、風鳴舎より出版されている、大庭美代子さん著『ヤングケアラーの歩き方 家族グレーゾーンの世界を理解する本』を参考としました。
著者の大庭美代子さんご自身がかつてヤングケアラーであり、逆境の中でも夢や目標を諦めず道を拓いてこられた方です。
会社員としてのご経験や結婚出産といったライフステージの変化を経て30代後半に助産師を目指して大学に入学され、現在はフリーの助産師として活躍されるほか、助産師の知見を活かした育児講座や性教育などの講師業もされています。
そのほかにも任意団体あゆみYELLを立ち上げられ、10代の居場所づくりにも取り組まれるなど、ご自身の経験や知見をフルに活かして精力的に活動されています。
そんな大庭美代子さんによって手掛けられたこちらの図書ですが、家族機能不全の状態別に逆引き目次がついている点が特徴的です。
ヤングケアラーを生む家庭は「家族機能不全」の状態に陥っており、この家族機能不全がヤングケアラーに与える影響(惹き起こされる特性)があるとされています。
『ヤングケアラーの歩き方』では以下の特性別に逆引きができるようになっています。

◆行動の特性
・嘘をつくようになる
・子供らしさを失う
・大人の代わりに子供がケアを担う
・事故/事件にあいやすい
・自分時間がない

◆精神面の特性
・欲求不満を抱えている
・感情が麻痺する
・自己責任だと感じる
・自尊心の欠如
・夢や目標が持てない
・共依存
・メンタルの不調をきたす
・意欲の低下

◆コミュニケーションの特性
・感じたことを素直に話せない
・心に殻をかぶる
・他者との関係性がつくりにくい
・物事の判断基準が自分以外にある
・人に頼れない
・期待に応えようとする

◆環境面の特性
・放任/無関心
・情報の貧困
・関係性の貧困
・精神的虐待
・身体的虐待
・社会から孤立する
・家庭が常に緊張状態(安心できない)
・社会の無理解(自己責任論)
・経済的な貧困
・困りごとが外から見えにくい
・経験の欠如

上記のうち心当たりのある特性から逆引きして、ヤングケアラーが置かれた状況を理解する手がかりになるエピソードにショートカットできるつくりになっており、ヤングケアラー本人のほかにも、支援者となる周囲にとっても参考にしやすい構成です。

ヤングケアラーが抱える問題

ヤングケアラーが直面している問題は家庭内にあるため、ヤングケアラー自身も「これは家庭内の問題」と認識している傾向が強く、他者へ相談したり社会資源に解決策を見出したりなどしづらいとされています。
そのため表面化しづらいことも多く、周囲も気付けなかったり、なんとなく問題のある家庭だとわかっていても踏み出しづらい構造になっています。
そうしてヤングケアラーの孤立や孤独感は強まってしまう…というのがヤングケアラーが置かれた状況の中で最も大きな課題です。
個々のヤングケアラーが抱える問題は兄弟の世話や病気の家族の世話など様々ですが、それらによってもたらされる孤独は共通です。

ヤングケアラーに対する支援

ヤングケアラーに対する支援として、例えば病気の家族の世話に追われているのであれば社会資源である介護・看護サービスを活用しても良いでしょう。
経済状況が不安定なことに起因しているのであれば、状況に応じた何らかの援助が必ずあります。
適切な社会資源とつながるためには、まずは困りごとを発信していく必要があります。

おわりに

ヤングケアラーの苦しみは当事者でないと本質的な理解は難しいかもしれません。
ただ、存在を知っていることで手を差し伸べることができたり、受けられる支援を伝えたり、何らかの形で関与し、孤独から救うことが出来るかもしれません。
今回のブログ記事を通じて、1人でも多くの方にヤングケアラーの存在の認識が広がり、理解が進めば幸いです。

このブログでは、週に1度のペースで新しい記事を更新して情報発信しています。
今回はヤングケアラーについて触れましたが、このような社会的な問題の他にも、労働分野や障害年金関係など社労士ならではの目線でみなさまにとっても参考にしていただける情報をお届けしていますので、ぜひまたのぞいていただけると嬉しいです。

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