女性の健康課題への対応を整備すると助成金がもらえるってホント?(両立支援等助成金)

「女性の健康課題」と聞いて、どのような課題を指しているかイメージできるでしょうか?
このブログでは、女性の健康課題に関する解説のほか、これらの課題サポートに取り組む企業が活用可能な助成金として「両立支援等助成金」についても紹介しています。
ぜひ、最後までお読みいただけると嬉しいです。
目次
女性の健康課題って何のこと?
女性の健康課題とは、女性特有の罹りやすい病気や症状を言います。女性はライフステージや女性ホルモン分泌量に応じて直面する問題が異なり、例えば10代の終わりから40代前半ごろの性成熟期では月経や妊娠出産の、それ以降の更年期では更年期障害による諸問題を抱えることがあります。
・月経随伴症※
・更年期症状
・婦人科がん
・不妊治療(男女双方にある健康課題)
※月経随伴症とは...月経に随伴して起こる病的状態。月経によって生じる痛みに限らず、嘔気や頭痛、下痢、倦怠感といった身体的な不快症状、気分の落ち込みなどの心理的な症状まで広く含む。症状は月経中だけでなく月経前にも起こる場合があり、PMSとよばれる。
このような女性特有の諸問題は女性の社会進出を促してきた社会としてももちろん向き合うべき事案であり、特に労働人口が減少する日本社会においては多様な人材の活躍が実現するための環境整備は重要な課題といえます。
経済産業省ヘルスケア産業化によると、欠勤/パフォーマンス低下割合/離職率等の要素と平均賃金を掛け合わせて女性特有の健康課題による経済損失を数値化すると、社会全体で約3.4兆円と推計され、小さな問題ではないことが分かります。
かつては、これらの女性の健康課題はデリケートな問題であるため女性労働者側の支援ニーズを企業側も把握しづらく、どのようなアプローチをすればよいかわからないといったハードルがありました。
しかし少しずつ社会的にも女性の健康課題への認知が進むようになり、男性も含む全社で女性の健康課題に対する理解を深めること、働き方の調整をはじめとする環境整備、治療費支援などの積極投資などが広がりを見せるようになりました。
女性の健康課題と女性の社会進出
女性の健康課題と女性の社会進出問題は切っても切れない関係にあります。
日本ではジェンダーギャップがまだまだ課題とされつつも女性活躍が急速に進んできた中で、一方で家事・育児・介護に関する負担の性差の解消はスピード感として劣り、結果として女性が抱える負担の大きさも指摘されるようになりました。
そういった仕事と家庭の両立の問題が認知されるようになったのに続いて、そもそも女性にはライフイベントの他にも、生理・妊娠出産・更年期といったバイオリズムや生殖に起因した事情が仕事との両立の難易度をあげてしまうことも課題として認識されるようになりました。
女性が社会で活躍していくためにはこれらの問題に対する理解と課題解消は不可欠で、社会的に向き合うべき問題であるといえます。
女性の健康課題に関する ≪両立支援等助成金≫
女性の健康課題解決に向けて取り組む企業への支援として、「両立支援等助成金」の「不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース」があります。
従来は不妊治療に限定されたコースでしたが、令和7年度よりコース名に「女性の健康課題対応」が加わり、内容としても月経や更年期に対応したものに充実しました。
不妊治療、月経(PMS(月経前症候群)含む。)や更年期といった女性の健康課題に対応するために利用可能な両立支援制度を利用しやすい環境整備に取り組むとともに、不妊治療や女性の健康課題に関する労働者の相談に対応し、それぞれに対応する両立支援制度を労働者が利用した場合に受給できる助成金です。
①休暇制度/所定外労働制限制度/時差出勤制度/短時間勤務制度/フレックスタイム制度/在宅勤務等の両立支援制度を導入し、制度利用の手続きや賃金の取扱い等を就業規則等に規定すること、②労働者からの相談に対応する両立支援担当者を選任すること、③対象労働者(制度利用の開始日から申請日まで雇用保険被保険者として継続雇用)が両立支援制度を合計5日(回)利用すること、といった支給要件を満たすことで、1事業主1回に限り30万円を受給することが可能です。
おわりに
女性の健康課題をテーマに、関連する助成金情報も含めた内容でお届けしましたが、いかがでしたか?
このブログが少しでもご覧になった方の参考になっていると嬉しいです。
このブログでは、週に1度、毎週月曜日に新しいブログ記事をアップしています。
幅広いテーマを扱っているので、ぜひ過去記事もご覧いただけると嬉しいです。
「このブログを書いているのってどんなひと?」「このHPを運営している会社(社労士事務所)ってどんなところ?」と興味を持ってくださった方は、自己紹介動画(YouTubeで2分程度のアニメーションです)もご覧いただけると嬉しいです。