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失語症ってどんな症状?まずは知ることから始めよう

「失語症」という言語障害をご存知ですか?

失語症とは、脳梗塞や脳出血、あるいは交通事故などで脳に外傷を負った際に大脳にある言語を司る部分が損傷されることによって、「聴く」「話す」「読む」「書く」といった言葉に関する働きに不自由が生じます。

「聴く」「話す」「読む」「書く」 といった日常当たり前に行っているこれらの動作は、想像以上に複雑な脳の働きによって実行できているのです。

上述したような病気や事故の後遺症として失語症と共にする人生が突如始まると、これまで無意識にできていた 「聴く」「話す」「読む」「書く」 が困難になり、日常生活が一気に不便なものとなってしまうのです。

失語症に対する理解がまだまだ一般的ではなく、言葉が出づらい姿から記憶障害と誤解されたり、似た名前である「失声症」と混同されたりと、周囲の誤解によって適切な支援が受けづらいなどといった障壁もあります。

このブログでは失語症に対する理解を深められるよう、失語症家族当事者の書籍も参考にしながら内容をまとめています。

失語症を抱えている方と接する機会があった際に必要な支援に繋がることを願っています。

ぜひ、最後までご覧ください。

目次

失語症とは?

失語症とは冒頭でも触れたとおり、脳梗塞や脳出血、あるいは交通事故などで脳に外傷を負った際に大脳にある言語を司る部分が損傷されることによって、「聴く」「話す」「読む」「書く」といった言葉に関する働きに不自由が生じた状態を指します。
この損傷の箇所や損傷の程度によって失語症として現れる症状や不自由の度合いに違いが生まれます。そのため、失語症といってもその方によって得手不得手は異なるということも念頭に置いておく必要があります。
損傷(障害)される箇所による分類としては「ブローカ失語」と「ウェルニッケ失語」があり、それぞれの特性は次の通りです。

◆ウェルニッケ失語
主に聴くことが難しくなり、言葉の理解が阻害されるウェルニッケ失語は感覚性失語とも呼ばれます。
ウェルニッケ失語の特徴としては、イントネーション含め話し方は滑らかで会話量も比較的多いものの、言い間違い多かったり言葉が支離滅裂になったりして会話に困難があります。
自分が伝えたい・発したいと思う言葉を脳内から引き出すことに困難があり、伝えたいことを伝えづらくなってしまいます。
会話以外では文字を書く能力が障害されるため、筆記やメールで文章を打つことなどが難しくなります。
◆ブローカ失語
上述したウェルニッケ失語に対してブローカ失語では主に話すことが難しくなります。
言葉の理解はできるものの、自分で考えた事をことばに変換する「運動性言語野」の部分が傷害されていることによって言葉を発することが困難となり、スムーズに返答をするといった動作に障壁があります。
会話を滑らかに話すことが難しく、短い単語での返答に限られるなどたどたどしい会話になってしまいます。

参考書籍:『こう見えて失語症です』/ 米谷瑞恵

今回ブログで失語症をテーマとして扱うことを決めてから、失語症について理解したいと思い大型書店に足を運んでも失語症を扱う書籍は多くありませんでした。そんな中ポップな装丁で目を惹いたのが、この『こう見えて失語症です』でした。
この書籍は、ある日突然失語症となった旦那さんとの二人三脚の日々を奥さんの目線で綴った内容になっています。
著者である米谷瑞恵さんが奥さんなのですが、なんとご主人が失語症になったことをきっかけに言語聴覚士になられているのです。(!)
家族としてのリアルな声も織り交ぜつつ、言語聴覚士としての専門的な知見のもと失語症について紹介されていて、失語症の概要や実情について知ることができました。
失語症についての学びや気付きももちろん多いのですが、何よりもご夫妻ともに前向きに失語症を悲観的に捉えず(本当はつらいこともたくさんあったかとは思いますが)、失語症のある日々を楽しく過ごされている様子に思わず笑みがこぼれてしまうほど明るい内容でした。
チャレンジングなご主人の日常から、周囲が失語症を理解して適切にサポートすることができれば、失語症の方々にとっての不便さはぐっと軽減されるだろうなと感じました。
失語症についての知識がゼロでもするすると読みすすめることができる内容なので、ぜひみなさんにオススメしたいです。

失語症による困りごと

上述したように失語症にもウェルニッケ失語としての特性やブローカ失語としての特性(あるいは両方の全失語)があるため、困りごとも様々です。
また、言葉が出にくい・伝わりにくいといった状態から誤解されがちですが、子どもが言葉を覚える過程の状態とは異なるため子ども扱いをして接するのは適切ではありません。
参考書籍内では『通常「言葉」は脳の中で音・イメージ・絵・文字などとつながっている』ところ、『失語症になるとそれぞれのつながりがユルく』なり、『言葉のストックはあるのに「聴く」「話す」「読む」「書く」の場面でうまく使えない』と表現されていました。頭の中には失語症を患う前に獲得している単語はちゃんと残っているのです。
失語症による困りごととしては、第一にこれらの失語症の状態を理解されていないことが挙げられるかと思いますが、日常生活上の困りごととしては例えば外出先で公共交通機関の表示やアナウンスを理解できず困惑してしまったり買い物や外食でも店員との意思疎通が難しかったりといったことが考えられます。
普段いかに無意識に聴覚や視覚から私たちは情報をキャッチしているのかが痛感させられます。
失語症の表現としてよく用いられますが、突如知らない外国語に囲まれた世界に迷い込んだといったイメージが近いようです。

失語症の方に私たちができること

失語症の方と出会った際、私たちにできる支援や歩み寄りにはどんなことがあるでしょうか。
サポートアイテムとして指差しツールなどももちろんありますが、参考にした『こう見えて失語症です』でのスターバックスの店員さんが親切にしてくださったエピソードからもある通り、決して急かさず、何を伝えようとしているのかを一緒に考えるといった姿勢こそが大切だと思います。
スムーズに意思疎通ができないからといって丸め込んだり、邪険に扱ったりはもってのほかです。(そういったご経験もあったと書籍では綴られていました・・・)

おわりに

失語症はまだまだ広く知られた障害ではありません。
微力ながら、このブログで少しでも皆さんが失語症を知るきっかけになればと思っています。
ブログの文中でもご紹介した『こう見えて失語症です』ではより詳しく失語症について知ることができる内容になっているので、失語症についての興味関心がある方はぜひお手に取ってご覧になってみてください。

このブログでは今回のように様々な障害についての理解促進につながる情報発信や、社労士として人事労務に関するテーマ、障害年金等の社会資源についてのテーマなど、幅広く取り扱っています。

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