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ゆるブラック企業が話題になっているってホント?その問題点とは?

ゆるブラック企業が話題だと先日夜のニュース番組で目にして、ゆるブラック企業という言葉を初めて耳にしたので、そんなものがあるのかと驚きました。「ゆるブラック企業」という概念、みなさんはご存知でしたか?

劣悪な職場環境を意味する“ブラック企業”や、働きやすい環境を整備した“ホワイト企業”でもなく「ゆるブラック企業」とは一体どういう企業のことを言うのでしょうか。

このブログでは「ゆるブラック企業」を切り口に、働き甲斐についても触れた内容になっています。

ぜひ最後までお読みいただけると嬉しいです。

目次

ゆるブラック企業ってなんだ?

ゆるブラック企業というワードを私が初めて耳にしたとき、「ゆるいのか?!ブラックなのか?!ゆるブラックだから…ちょっとブラックなのか?」とすぐに言葉のイメージをつかむことができませんでした。
気になって調べてみたところ、どうやら「ゆるブラック企業」とは決して労働環境は悪くない(=ブラック企業ではない)ものの、仕事を通じての自身の成長実感や待遇の向上が見込めず、能力発揮の機会を得られなかったり評価の欲求が満たせなかったりなどといった不満を生む企業を指すようです。
企業側としてはブラック企業にならないように労働環境の整備を進めているはずですが、皮肉にも従業員は働き甲斐を見出せなくなった状況とも解釈できそうです。
一体この掛け違いの背景にはどのような事情が考えられるでしょうか?

ゆるブラック企業が誕生した背景

ゆるブラック企業の烙印を押されてしまう企業は決して労働環境の整備に無関心なのではなく、むしろブラック企業にならないようにホワイト企業であろうと配慮しているはずです。
いわゆるブラック企業は「長時間労働」「ハラスメント問題」といった問題を抱えています。これらの問題に対しては働き方改革等の法律によって厳しく取り締まる社会となってきており、企業も従業員もともに敏感になっている傾向にあるといえるでしょう。
そこで例えばパワハラを避けるために適切な指導の機会を逃していたり、業務負荷を与えないためにスキルアップの機会を提供できなかったりといった弊害が生まれてしまうことがあるようです。
このような結果から従業員がモチベーションを維持できなくなってしまうというのが「ゆるブラック企業」の問題点と言えるでしょう。配慮したにも関わらず皮肉な結果となるなんて、企業としては頭を抱えたくなる問題です。
過酷な労働環境を強いているわけではないのにホワイト企業になれないということは、ゆるブラック企業にはホワイト企業には備わっている何かが足りないということです。ホワイト企業にはあってゆるブラック企業にはないものを「エンゲージメント」と仮定して次の章以降触れていきます。

ゆるブラック企業ではエンゲージメントが足りない?

ゆるブラックで足りないのは「エンゲージメント」ではないか?という考察のもと、この章では話を進めていきます。
まず、エンゲージメントという言葉をデジタル大辞泉(小学館)で調べると次のように説明されています。

■エンゲージメントとは?
1 約束。契約。協約。
2 結婚の約束。婚約。
3 広告などの各種マーケティング活動において、顧客の興味や注意を引きつけ、企業と顧客の結びつきを強めること。→エンゲージメント率

このような本来の言葉の意味から、職場において用いる際は「愛社精神」のニュアンスで使われる言葉となりました。つまり会社に対する愛着です。もちろん従業員から会社に対する気持ちだけでなく、会社も従業員とともにビジョンを共有して、ともに成長に貢献しあえる実感を持てる関係性を指しています。
職場におけるエンゲージメントを考える際、「ワークエンゲージメント」と「従業員エンゲージメント」に分けて捉えることができます。
参考:愛媛労働局HP「働きがいのある職場づくりのため、エンゲージメント向上に取り組みましょう!」
ワークエンゲージメントと従業員エンゲージメントを両輪で高めることができれば、組織に対する従業員からの信頼が高まり、従業員の能力が最大限に発揮されることが期待できます。

ワークエンゲージメント

ワークエンゲージメントとは、個人と仕事との関係に着目したものです。
ワークエンゲージメントは<仕事への熱意><仕事への没頭><仕事から得られる活力>といった要素で構成され、それらが満たされて従業員(個人)が仕事に向き合う際の前向きな心理状態であれば、ワークエンゲージメントが高いと評価することができます。

従業員エンゲージメント

従業員エンゲージメントは、個人と組織との関係に着目した言葉で、<組織が目指す方向性への理解度><組織への帰属意識><組織へ貢献したいという行動意欲>から構成されます。

おわりに

ゆるブラック企業というテーマを切り口に、エンゲージメントについても触れてきましたが、お読みくださった皆様にとってもご自身の働き方や働き甲斐について考えるきっかけになっていると嬉しいです。

このブログでは、今回のように社会的に話題になっている事柄のほかにも、社労士ならではの視点で障害年金や労務管理をテーマにお届けしています。
ぜひ過去ブログもご覧いただけると嬉しいです。

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