強度行動障害について正しく理解しよう。当事者が抱える悩みに対して周囲が出来ることとは?
強度行動障害をかかえた家族の密着動画を観る機会がありました。
その密着動画では、強度行動障害のために入所施設が見つからず、家庭内で対応せざるを得ない現状を目の当たりにしました。
親も年を取る以上、家庭内での対応には限界があります。親亡きあと、強度行動障害のある子はどうなるのか。切実な悩みに触れ、まずは強度行動障害を知ることからはじめたいと思い、今回のブログのテーマに選びました。
このブログを目にしてくださった方の強度行動障害に対する知識が、少しでも増えると嬉しいです。
ぜひ、最後までお読みください。
目次
強度行動障害とは?
強度行動障害について、前回のブログでも施設入所が難しい事例としてご紹介しました。
強度行動障害とは、その名の通り「強い行動障害」が起こることを指しますが、行動障害とは主に発達障害を持った人たちの環境への著しい不適応を意味しており、具体的には、激しい不安・興奮・混乱の状態で、結果的には、多動・疾走・奇声・自傷・固執・強迫・攻撃・不眠・拒食・異食などの行動上の問題が日常生活の中で出現することを言います。( 参考元:仙台市HP)
参考元の資料にも書かれていますが、強度行動障害は自閉症で知的障害が重度の方が多いとされています。また同資料において、行動障害はその人が生来的に持っている資質そのものではなく、適切な働きかけをすることで軽減することが可能であるとも示されています。
強度行動障害について知るために
強度行動障害がどういったものか知ることができるドキュメンタリーをご紹介します。
この2つの動画のいずれも入所先探しに困っており、症状が活発化して近隣への迷惑がかかることを理由に昼夜問わずドライブに行かざるを得ない苦悩も共通しています。
強度行動障害での障害年金申請は可能か?
強度行動障害を抱えていると、就職先を見つけることも容易ではありません。
そうなると生活を維持していくためにはなんらかの制度を活用することも検討することになるでしょう。
その選択肢のひとつとして、障害年金を挙げることができます。障害年金は受給できる障害が決められていますが、強度行動障害をお持ちの方の場合は知的障害や精神障害がベースにあることが多く、その知的障害や精神障害の程度によっては障害年金を申請できる可能性があります。
おわりに
強度行動障害は先週のブログテーマだった『老障介護』でも触れましたが、現在の日本が目指す【地域移行】への転換の中で支援が行き届いていない層といえます。
また、障害者入所施設やグループホームの運営に国からの援助が十分でなかったり、建設の際に地域住民からの反発を受けるなどしてなかなか供給が追い付いていない現状もあります。
どのようにすれば多様な障害に対応した地域移行が実現し、地域に受け入れられて共生がはかれるのか、簡単な問題ではありませんが、ひとりひとりが無関心ではなく思いを巡らせることが重要なのではないでしょうか。