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老障介護が抱える深刻な問題。親亡きあと、障害を持つ子どもはどうなるのか

老障介護ということばを耳にしたことはありますか?老「老」介護であれば聞きなじみがあるかもしれませんね。

老障介護とは、年老いた親によって障害を持つ子どもを介護する状態を指しており、社会問題とされています。

障害を抱える子どもの介護を頼れる先がなく、両親が年をとってもなお自分たちの力で介護せざるを得ない状況が、いかに過酷であるかは想像がつくでしょう。

今回のブログではこの老障介護をスポットライトをあてて、どういった背景でこのような事態が起こっているのか、そしてどういった問題を抱えているのかについて触れていきます。

他人事と捉えずに、まずは知ることから初めてみませんか?

ぜひ、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

目次

老障介護という介護実態があるのをご存知ですか?

老障介護とは、冒頭でも述べた通り老人(年老いた親)が障害を抱える子どもを介護する状態をいいます。
ただでさえ障害を抱える家族の介護には困難が伴いますが、介護の支え手である親が高齢になると家庭内介護にも限界が訪れることは容易に想像がつきます。
こうした老障介護の世帯は多いとはみられるものの、国による具体的な調査は行われておらず実態は明らかになっていません。(参考:讀賣オンライン

老障介護が起こる背景・老障介護が抱える問題

老障介護起こるようになった背景として、日本の医療技術が進歩したことによって親子ともに寿命が伸びたことが挙げられます。
年老いた家族による介護が難しいのであれば障害のある子どもを施設でみてもらえば良いのでは?と思うかもしれませんが、実はここにもハードルがあります。
日本では障害者に対する施策の方向転換がおこなわれ、「障害者を地域で支えよう」といった目標を掲げています。
これはいわゆる「地域移行」といわれるもので、障害者総合支援法や国連による障害者権利条約に基づいての動きなのですが、この動きによって従来からある入所施設よりも地域にあるグループホーム等への移行が推奨されるようになり、それに伴って入所施設の定員減少も進んできました。
地域移行は一見良いことのように思えますが、グループホームでは障害の重い方への受け皿としての整備が十分でないことも多く、グループホームでも受け入れてもらえず入所施設は待機人数がものすごい数になっており、自宅で介護せざるを得ないといった状況につながっています。
グループホームでの受け入れが難しい事例の1つに、「強度行動障害」があります。強度行動障害は普段は穏やかに過ごせる方も多いものの、何かをトリガーにパニックを引き起こしてしまい、壁に頭を打ち付けるなどの自傷行為が起こることがあります。
次の動画では、グループホームへの入所がかなわない厳しい現実が映し出されており、当事者による苦悩を知ることができます。

老障介護、親亡きあとの不安

老障介護において一番の問題となるのは、やはり「親亡きあと」の心配です。
社会資源や周囲を頼ろうにも頼れない状況が続き、家庭内での介護で乗り切ってきたものの、順番通りにいけば親が先に寿命を迎えます。
人生の終わりは誰にも想像ができず、いつ訪れるかわかりません。突然この世を去ることもあれば、闘病の末といったこともあるでしょう。しかしどんな寿命のまっとうの仕方であったとしても、障害を抱える子にとっては寄る辺なくなることを意味します。
次の動画では、そんな将来を憂いる家族の様子を知ることができます。

親亡きあとの問題として保護者が挙げる不安は次のようなものが挙げられます。
・住まいの問題
・身の回りの世話や相談先の問題
・成年後見制度の活用有無についての問題
・どのように収入を得て生計を立てるかといった問題
・就労の機会についての問題
・社会参加など周囲との接点に関する問題

これらの問題はいずれも、早い段階から計画的に取り組むことが大切です。
取り組みのひとつには障害を抱える本人の自立を促すことも含まれ、本人がどのような暮らしを希望するのかを周囲が知ることも重要な視点です。
上に挙げた諸問題のうち、収入面については障害年金が助けになることもあります。
障害によっては生い立ちなどを精査する必要があるため、保護者が健在なうちに専門家である社労士へ相談することをおすすめします。

老障介護について、まずは知ることからはじめませんか?

老障介護についてご紹介しました。このブログを通じて、今まで知らなかったという方にとっても、老障問題について考えていただくきっかけになっていると嬉しいです。
また、老障介護以外にも家庭という閉鎖された空間で起きている問題はたくさんあります。
広く知られている老老介護もそうですし、家庭内暴力や虐待もそうですよね。
その他にも、以前にもご紹介したことのある ヤングケアラーの問題も家庭内で起こる見えづらい問題です。
個の強まりが進み、社会とのつながりが感じづらい社会ではありますが、家庭内だけではどうしても抱えきれない問題があるのもまた現実です。
なかなか行動は起こしづらいですが、まずはこういったことで困っている・悩んでいる人もいるんだということを頭の片隅に置いていただいて、周囲で「もしかして…?」といった方がいたときに手を差し伸べてあげることができると良いですよね。

このブログでは、週に1度のペースで発信しているので、過去記事もご覧いただけると嬉しいです。

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