グリーフケアってなんだろう?悲しみに寄り添ってくれる作品もご紹介
グリーフケアという言葉が以前よりも聞かれるようになった気がします。
人は誰しも終わりを迎えますが、いつそれが訪れるのかは誰にもわかりません。
本人にとっても死は体験したことのない恐怖を伴うものだと思います。
そして残された側も心の準備ができないままに別れと直面して喪失感を味わうこととなります。
故人との想い出はひとりひとり異なるものがあり、喪失感を完全に共有して分かち合うことは難しいことなのかもしれません。
その中で、グリーフケアはどういった効果をもたらしてくれるのでしょうか。
このブログではグリーフケアについてやさしくまとめています。ぜひ最後までお読みください。
目次
グリーフケアとは
グリーフケアを知るにあたって、まずは「グリーフ」を理解する必要があります。
グリーフとは、死別に直面して湧きおこる喪失感と、その悲しみから立ち直ろうとする感情のはざまを行き来する不安定な感情(状態)のことを言います。
グリーフのさなかでは心にも体にも不調を生じやすくなります。グリーフのなかで周囲に悲しみに寄り添ってくれる方に恵まれないと、適切な時期に感情を押さえ込んで充分に悲しみきれずに本当の意味で乗り越えることができないといったケースもみられます。
グリーフケアは、そういった喪失感のトンネルに迷い込まないためにも寄り添い、感情をありのままに受け入れて立ち直り希望がもてるように支援することを指します。
グリーフケアとして気持ちに寄り添ってくれる作品
グリーフケアを希望する場合、クリニック等でカウンセリングを受けることも可能ですが、死別や死後の世界について前向きな解釈を与えてくれる作品に触れてみるのもひとつの方法です。
もしもあなたの身近に死別を通した悲しみの中で落ち込む人がいたら、そっと寄り添いながら作品を紹介してあげても良いかもしれませんね。
リメンバー・ミー
リメンバー・ミーは、ディズニー・ピクサーによる作品です。
公式HPでの作品紹介より引用
だが、彼の一族は代々、音楽を禁じられていた。
ある日、ミゲルは先祖たちが暮らす“死者の国”に迷い込んでしまった。
日の出までに元の世界に戻らないと、ミゲルの体は消えてしまう!
そんな彼に手を差し伸べたのは、陽気だけど孤独なガイコツ、ヘクター。
やがて二人がたどり着く、ミゲルの一族の驚くべき“秘密”とは?
すべての謎を解く鍵は、伝説の歌手が遺した名曲“リメンバー・ミー”に隠されていた…。
故人に思いを寄せている限り故人は死後の世界でも楽しく暮らしているんだなと考えることができ、命のリレーで自分が存在しているんだなということを改めて感じることができました。
私がこの『リメンバー・ミー』を観ようと思ったのは、タレントのryuchellさんが急逝された際に元妻のpecoさんが紹介されていたのがきっかけでした。
pecoさんは息子さんとともにリメンバー・ミーの世界観と照らし合わせて死を受け入れ、前を向けるようになったといったお話をされていました。
メメンとモリ
『メメンとモリ』はヨシタケシンスケさんによる長編の絵本です。
いつものほんわかしたイラストでありながら大人こそ心動かされる一冊で、やはりヨシタケシンスケさんの作品は大切なことに気づきを与えてくれるなと感じます。
メメンとモリは、「メメントモリ(死を忘れるな)」といった言葉から着想を得て、メメンという女の子とモリという男の子に置き換えて『メメンとモリ』というタイトルになっています。
「メメンとモリとちいさいおさら」「メメンとモリときたないゆきだるま」「メメンとモリとつまんないえいが」の三部構成で、それぞれの章で印象的なセリフが出てきます。それぞれのストーリーの概要と、印象にのこったセリフをご紹介します。
▼メメンとモリとちいさいおさら より
メメンが作ったお皿をモリが割ってしまうところからストーリーがはじまり、落ち込み反省するモリに対してメメンは仕方がないことだと諭します。
物でも人でも終わりは訪れるし、それはいつかわからない。それまでの時間をどう過ごすかは自由だし、気負うこともないことを教えてくれます。
終盤にメメンが発する「自分では選べないことと、選べることがある」というフレーズがとても印象的でした。
▼メメンとモリときたないゆきだるま より
美しくない雪だるま目線で展開されるストーリーは、「自分は何のために生きているのだろうか」といった感情に寄り添ってくれます。
自分の存在価値が見出せなくても、自分以外の誰かを同じ気持ちにさせないように「ボクがしてほしかったことをしてあげるんだ。だから今、ボクがしてほしいことをたくさん考えておこう。」と雪だるまが空想するシーンには胸を打たれます。
▼メメンとモリとつまんないえいが より
SNSで充実した生活を発信したり、効率を追求した自己啓発本が話題になったり、なにかと高みを目指すよう煽られがちな現代ですが、そんな風潮についていけなくても引け目を感じることはないと伝えてくれるストーリーです。
決して楽しんだり得をしたりするために生きているわけではないし、自分の中のイメージと現実には必ずズレがあるのだと気づかせてくれます。
「たとえばわたしたちは、いのちをつかってバランスをとるあそびをしているだけて考えることもできるんじゃない?」というメメンのユニークな発想にはほほえましい気持ちになると同時にハッとさせられました。
おわりに
グリーフケアについて簡単にまとめてみましたが、いかがだったでしょうか。
ご紹介した作品はグリーフケアの観点からでなくても様々な気づきを与えてくれるので、興味を持った方はぜひ見てみてくださいね。
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