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「メンタル不調」からの復職、どう支える?上司・同僚が知っておきたい配慮

「○○さん、来月から復職されることになりました」
そんな連絡を受けたとき、あなたはどのような気持ちになりますか?

「よかった、元気になったんだ」
「また一緒に働けるのはうれしいけど、どう接したらいいんだろう…?」

メンタル不調で休職していた社員の復職は、職場にとってうれしい一方で、「どう接したらいいのかわからない」という戸惑いの声も多く聞かれます。

本記事では、メンタル不調から復職する社員を迎える際、上司や同僚が知っておきたい心構えや配慮のポイントをやさしく解説していきます。

目次

メンタル不調からの復職、実はとても不安なもの

まず理解しておきたいのは、「職場に戻ってくる」ということ自体が、本人にとって非常に大きなハードルだということです。
休職期間中に本人は、職場に迷惑をかけたという罪悪感、以前のように働けるのかという不安、そして同僚からどう思われているかという気がかり等さまざまな思いを抱えながら日々を過ごしています。
復職が決まったからといって、すべてが回復しているわけではありません。
医師の診断書や産業医の判断で「復職可能」とされていても、それは「働くことができる状態」になったというだけであって、「完全に元通り」という意味ではないのです。
そのため、復職初日からフルパワーを求めるのは酷というもの。まずは、職場の一員として安心して戻ってこられる雰囲気をつくることが何より大切です。

上司や同僚ができる「気持ちの配慮」とは?

復職者にとって一番怖いのは、「以前と同じように接してもらえないこと」「腫れ物のように扱われること」です。
だからこそ、上司や同僚としては以下のようなちょっとした気配りを心がけたいところです。

◉「おかえりなさい」のひと言は、とても大きな意味を持つ
復職初日、「おかえり」と一言かけるだけで、復職者の不安は大きく和らぎます。
何を話したらいいか分からない場合も、「戻ってきてくれて嬉しい」と気持ちを伝えることが大切です。
特別な言葉でなくても、「また一緒に仕事できるの楽しみにしてたよ」「無理せずいこうね」といった一言だけでも、温かく迎え入れていることが伝わります。

◉ 詮索はNG。本人のペースを尊重する
「どうして休んでいたの?」「もう大丈夫なの?」などの詮索は、本人にとって負担になります。
復職者自身が話したいことがあれば、自然と話すはずなので、無理に聞き出そうとしない姿勢を持ちましょう。
また、回復には波があることを理解し、「今はまだ慣らし期間」という気持ちで接するのが理想です。

◉「頑張って」は言い方に注意
「頑張ってね」はつい口にしがちな言葉ですが、メンタル不調から復職した人にとっては、プレッシャーになることもあります。
代わりに、「無理しないでね」「困ったら相談してね」など、支える姿勢が伝わる声かけを心がけると安心感につながります。

職場として取り組みたい“仕組み面”の支援

復職者を迎えるには、気持ちの配慮だけでなく、会社全体で支える“仕組みづくり”も重要です。

◉ 職場復帰支援プログラム(リワーク支援)の導入
復職の前に、短時間の通勤訓練や職場体験的なリハビリを取り入れる企業も増えています。
こうした「リワークプログラム」によって、本人の状態や復職後の対応方法をあらかじめ見極めることが可能です。
外部の支援機関(地域の障害者職業センターなど)と連携することも視野に入れましょう。

◉ 慣らし勤務・段階的な業務復帰の仕組みを用意する
復職直後からフルタイム・フル業務は負担が大きすぎます。
可能であれば、「短時間勤務」「軽めの業務からスタート」など、徐々に慣れていけるステップを設定しましょう。
例)
1週目:半日勤務、電話対応や書類整理など軽作業
2週目:フルタイム勤務だが業務量を調整
3週目以降:通常業務に徐々に戻す
こうした段階的な復帰が可能であれば、復職者も安心して職場に戻れます。

◉ 定期的な面談の実施
復職直後〜1〜3か月程度は、上司や人事担当との定期的な面談が効果的です。
本人の様子に変化がないか、仕事量が適切か、悩みがないかを確認しながら、フォローアップを続けましょう。
面談では、「ちゃんと働けてる?」よりも、「何か困っていることはない?」という傾聴のスタンスが大切です。

まとめ:一緒に働く“仲間”としての姿勢が、何よりの支援に

メンタル不調からの復職は、当人にとって大きな挑戦です。
だからこそ、職場の受け入れ方が、その後の定着や再発防止にも大きく影響します。
大切なのは、「特別扱いする」のではなく「配慮する」こと。
同じ職場で働く“仲間”として、無理なくその人が戻ってこられるように、みんなで支える雰囲気づくりが必要です。

🔸 復職者を支える4つのポイント

・まずは「おかえり」のひと言から
・詮索せず、本人のペースを尊重する
・仕組みで支える:慣らし勤務や定期面談を活用
・支える気持ちを、言葉と行動で伝える

メンタル不調は誰にでも起こり得るもの。
だからこそ、「お互いさま」の気持ちを持ち、「安心して戻ってこられる職場」を目指すことが、これからの企業に求められる姿勢です。
小さな配慮が、復職者の未来と、職場全体の信頼感を育てていく。そんな温かい職場づくりの参考になれば幸いです。

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