障害年金の審査にかかる期間は?進行状況と確認方法

「書類を出したけど、音沙汰がない…」
障害年金の申請後、多くの方が直面するのが「審査期間の長さ」や「今どうなっているのかわからない」という不安です。
申請のステップを終えた後は、日本年金機構による審査が行われますが、その間に「書類の確認は進んでいるのか」「追加提出は必要なのか」など、不明な点が多く、焦ってしまう方も少なくありません。
この記事では、障害年金の審査にかかる期間の目安や、進行状況の確認方法、よくあるつまずきポイントについて、社労士の視点から丁寧に解説します。
目次
- ○ 障害年金の審査は誰がどう進めているの?
- ○ 審査にかかる期間の目安と、長引くケースの背景
- ○ 審査の進行状況を確認するには?実務的な手段を紹介
- ○ 審査中にできる準備と、連絡がないときの対応
- ○ まとめ:審査期間も「見えない時間」。でも対応の工夫で安心を
障害年金の審査は誰がどう進めているの?
障害年金の審査は、書類提出後にすぐ判定されるわけではありません。大きく分けて、以下のような流れで進みます。
✅ 書類の提出 → 初期チェック(年金事務所)
内容や記載漏れ、添付書類の有無を確認。ここで不備があれば返戻(差し戻し)されることもあります。
✅ 審査の本体 → 日本年金機構本部での医学的・事務的審査
医師による障害認定と、制度上の要件を満たしているかのチェックが行われます。
この医学的な審査では、診断書や日常生活能力の記載内容が重視され、等級や支給の可否が判断されます。
審査にかかる期間の目安と、長引くケースの背景
障害年金の審査にかかる期間は、一般的に次のように見込まれています。
・ 初回申請(障害基礎年金) : 約2〜4か月程度
・障害厚生年金/事後重症など:約3〜5か月程度
・審査請求(不服申し立て):6か月以上かかることも
ただし、以下のようなケースでは、審査が大幅に遅れる可能性があります。
■遅くなる主な理由
・記載ミスや添付漏れなど、書類の不備
・初診日が不明確で、調査に時間がかかる
・医師の診断書の記述があいまい
・審査部門の混雑時期(年度末・春など)
補足:審査の「季節的な混雑」とは?
年度切替や、医療機関の混雑する春先は、審査が一時的に集中する傾向があります。特に1〜3月・6月前後は、申請が多く、処理に時間を要することがあります。
審査の進行状況を確認するには?実務的な手段を紹介
申請後、「今どこまで進んでいるのか?」を知るには、以下のような方法があります。
方法①:年金事務所に電話で確認する
提出先の年金事務所に問い合わせることで、書類が機構に送付されたか/不備の有無/審査中かどうか、といった基本的な状況を教えてもらえます。
※本人確認が必要なため、申請者本人または代理人(社労士など)でないと詳細は教えてもらえません。
方法②:「ねんきんネット」で確認(限定的)
日本年金機構の「ねんきんネット」では、現時点で障害年金の審査進捗は詳細に見えませんが、受給開始後の情報管理には便利です。
方法③:社労士などの専門家に進捗確認を依頼
代理人として申請した場合、社労士は直接進捗を照会できます。
審査中にできる準備と、連絡がないときの対応
申請してから審査結果が届くまで、何もできないというわけではありません。
⏳ 審査中にできること
・家計の確認や、他の支援制度(福祉手当・医療助成など)の情報収集
・医師からの最新の診断書のコピーを保管
・就労の準備や、体調に合わせた生活リズムの調整
📞 連絡が来ない場合は?
・3か月以上何の通知もない場合は、一度以下を確認しましょう。
・年金事務所への電話連絡(受付番号があるとスムーズ)
・郵送物の見落とし・住所変更の有無
・書類に不備があった際の返送対応漏れ(通知を待っていて書類が返戻されたままだった、という事例も少なくありません。)
まとめ:審査期間も「見えない時間」。でも対応の工夫で安心を
障害年金の申請は、提出して終わりではなく、「審査の過程」も含めて見通しを立てておくことが大切です。
・審査には2〜4か月以上かかるのが一般的
・状況を確認する手段を知っておくと安心
・不備がないよう提出前の準備が最も重要
・不安なときは、一人で抱えずに、社労士などの専門家に状況を共有することが、結果的にスムーズな申請や生活設計につながります。