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社労士のヒナコを社労士が読んでみた!社労士の読書感想文。

『社労士のヒナコ』という小説が書店で平積みされていたのを見掛けてから、とても気になっていたんです。

様々な職業にフォーカスした作品は数多くありますが、社労士は不人気(?)なのか知名度が低い(?)のかスポットライトを浴びることは無く…。

そんな中ついに社労士を題材にした作品が生まれるまでになったのですね!!!

初めて書店で見掛けてから手に取るまでしばらく間があいてしまいましたが、ついに読了したので記録として綴ってみたいと思います。自分の職業が取り上げられている作品に触れるのはとても楽しい体験でした。

いつもとはテイストの異なるブログですが、ぜひ最後までお読みいただけると嬉しいです。

目次

社労士のヒナコシリーズとは??

感想を述べるまえに、今回ブログの題材として取り上げさせていただくせめてものお礼としてきちんと作品の紹介をしたいと思います。
『ひよっこ社労士のヒナコ』の裏表紙にある内容紹介でも「新米社労士の雛子(26歳、恋人なし)が6つの事件で奮闘。労務問題とミステリを融合させた人気シリーズ第1弾!」とあるとおり、これは雛子の社労士としての日々をつづった小説です。
雛子は大学卒業後の就職活動がうまくいかず、派遣社員として働くなかで様々な理不尽に直面してきました。
その後雛子は社労士の資格をとって社労士事務所で修業を積むのですが、社労士として色々なクライアントとの間で繰り広げられる労務問題やその解決の過程をミステリ要素を交えて展開されていきます。

作者である水生大海先生についてもご紹介

水生大海(みずきひろみ)先生は、社労士のヒナコシリーズの他にもミステリー小説を中心に多くの作品を手掛けられており、これまでに様々な賞を受賞されてきた先生です。作品の中には映画化・ドラマ化されたものもあります。
webメディア本の話で社労士のヒナコシリーズについてお話されている記事を見つけ拝見していたのですが、お仕事小説のアンソロジーを書くといった企画の中で、他の作家との被りを回避するため社労士を選ばれたといった背景を知り、思わず笑ってしまいました。水生先生ご自身は社労士が馴染みある職業だったようで、幸いにも社労士が日の目をみる時が来たわけですが、やはり社労士の知名度はまだまだか…と痛感させられました。笑

社労士のヒナコはここがおもしろい!

社労士のヒナコでは、社労士の存在や仕事内容を知らない人でもわかりやすいように身近な労務問題がテーマとして取り上げられている点がおもしろいです。
たとえばアルバイトのSNS問題(いわゆるバイトテロといわれるものですね)や、ベンチャー企業での産育休問題、そして各種ハラスメント問題など、日常的にニュースで話題になっていたり、みなさんの身の回りでも見聞きしたことのある問題ではないでしょうか。
先述した水生大海先生のインタビュー記事でも書かれているように、これから社会人になる人にとっても社会に出たあとに出くわすであろう労務問題を知る手がかりになって良いと思います。

社労士のヒナコに共感・・・!

社労士のヒナコでは実際に社労士や社労士法人に取材をされていることもあり、非常に内容は興味深く共感できることも多かったです。
雛子はたびたび正論を振りかざしてしまうのですが、雛子なりにクライアントに対する誠意をもって法律に則った正しい助言をしてもクライアントには響かず、雛子が落胆してしまうシーンが描かれます。ときにはクライアントからの契約解除などに発展するシーンもあったりと、正しい助言と求められる助言の狭間で雛子は悩みます。
また、雛子は自身が派遣社員で悔しい思いをした過去を持っていることもあり、立場の弱い労働者に同情的な傾向にあるのですが、雇われている社労士事務所の所長からは「私たちはクライアントからお金をいただいているんだよ」と、たしなめられます。
あくまでも法律の正しい運用を示しつつも、クライアントにとってより良い助言と適切な距離感でコンサルティングが重要だという点が語られており、実務家としては共感できる部分でした。

社労士のヒナコで社労士に興味をもってもらえることを願って・・・

過去のブログでも、お仕事系ドラマから様々な職業を知るきっかけを得よう!といった内容でお届けしたこともありますが、「たまたま観ていたドラマの登場人物がその職業だったから」「読んでいた小説の中でそういう仕事があることを知った」といったように、本当に何気ないきっかけで知らない職業に出会い、興味を持つことがあります。
たとえ自分がその職業に就かなくても、そういう分野で活躍している職業があるんだな~ということを知るだけでも意味があります。特に社労士などは自分が目指さなくても、社労士といった存在を知っているだけで、労働関係で困ったことに直面したときには社労士に相談するといった選択肢が持てるようになりますよね。
社労士のヒナコはシリーズ化されていることからもわかるように人気があるようですので、社労士のヒナコを通じて少しでも社労士の存在に興味関心を持ってもらえると嬉しいなと思っています。

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