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士業とは?それぞれの役割と資格について

士業とカテゴライズされる職業があることは、すでに皆さんもご存知だと思います。

では具体的に士業としてどのような職業を思い浮かべますか?

最も有名なのは弁護士でしょう。しかし、「士業」といったときにその言葉が指すのは8つの業種、あるいは10種の業種です。このような「●●士」と呼ばれる士業をあなたはいくつ知っているでしょうか。

このブログでは士業についてわかりやすくまとめ、ご紹介しています。

特に士業に興味がある・士業を目指している方の参考になる内容となっています。

ぜひ最後までご覧ください。

目次

士業とは

「士業」は「しぎょう」あるいは「さむらいぎょう」と読み、職業名に「●●士」とつくためそのように呼ばれています。
高度な専門知識を有する職業とされており、同様の専門職として士業の他にも医師のように「師」とつく職業もありますが、そちらも包括する際は「士師業」(ししぎょう)と言われることもあります。
このブログでは、さむらいぎょうの方の「士業」をテーマに、士業とは?といった疑問がクリアになるような内容にまとめています。
さっそく、士業にカテゴライズされる職業を確認していきましょう。士業として語られる際には、2パターンあり、8つの士業グループを指す場合と、10種の士業グループを指す場合とがあります。それぞれの場合に分けてご紹介します。

8士業および10士業について

◆8士業◆
①弁護士
②弁理士
③司法書士
④行政書士
⑤税理士
⑥社会保険労務士
⑦土地家屋調査士
⑧海事代理士(「10士業」の場合は含まれない)


◆10士業◆
上記8士業から海事代理士を除いて、以下を加えたもの
①公認会計士
②中小企業診断士
③不動産鑑定士

士業は難関資格?!

士業はいわゆる専門職であり、特定分野のプロフェッショナルです。専門性を有するため資格試験が設けられていますが、各士業の資格について簡単にまとめてご紹介します。(士業によっては、資格を得るためのルートが複数用意されているケースもあります。ここでは代表的なものを取り扱っています)
上記8士業および10士業で挙げた、計13士業すべてにふれています。

弁護士

間違いなく士業の中で最も知名度の高いのがこの「弁護士」でしょう。また、士業の枠を超えて最難関資格としても知られる資格です。
そんな超難関資格である試験(司法試験)に合格して弁護士として登録を受けられるようになるまでには、 日本弁護士連合会HPでも示されているように3つステップがあります。①まずは法科大学院を修了して(あるいは予備試験に合格して)司法試験の受験資格を得たのち、②司法試験に合格し、③司法修習を受けるといったステップです。
難関試験の司法試験にたどり着くまでの「ステップ①」ですらハードルが高く、とても険しい道のりであるとされています。

弁理士

弁理士といえば、少し前にドラマ「それってパクリじゃないですか?」でその知名度が広がったのではないでしょうか。作品中でも紹介されていたように、弁理士とは「知的財産の専門家」です。その専門分野の特性上、通常個人で接点を持つことは少ないかもしれませんが、特許の出願等の分野で活躍している専門家です。
弁理士になるための試験に受験資格による制限はありませんが、法律の知識が必要となることや、知的財産の多くが技術系であることから、大学の法学部や理工学部から弁理士の道を目指すひとが多いようです。

司法書士

司法書士とは、登記業務や供託業務を独占業務とする国家資格です。成年後見業務なども司法書士の業務領域とされ、対応範囲は幅広いです。
司法書士になるには司法書士試験に合格するのが一般的ですが、これまでの実績によっては法務大臣の認定を受ける方法もあります。
司法書士試験には受験資格による制限がなく、弁護士が受験する司法試験のように、回数制限(5回)はありません。

行政書士

行政書士はよく「街の法律家」と言われますが、業務範囲のイメージとしては行政手続きをメインフィールドとする専門家です。行政書士が扱う業務は幅広くありますが、その中でも開業の許認可での活躍が有名ではないでしょうか。
行政書士として活躍するためには、行政書士試験に合格した者か、他士業の資格(弁護士、弁理士、公認会計士、税理士)を有した者が行政書士として登録を受ける必要があります。
行政書士の試験には受験資格による制限がなく、なんと過去には15歳での合格者もいるようです。

税理士

税理士といえば、士業の中では知名度が高いほうではないでしょうか。税務の専門家である税理士は税金の計算・申告が主な仕事で、「税務書類の作成」「税務代理」「税務相談」が独占業務として認められています。
後述する公認会計士との違いについては、すこし雑な説明にはなってしまいますが、「中小企業を相手とする税務・会計代行や税金対策のコンサルティング」を主な範囲とするのが税理士、「大企業を相手に監査や上場対策など規模が大きめな業務」を扱うのが公認会計士とイメージするとよいでしょう。
税理士になるためには国家資格である税理士試験に合格することに併せて、実務を2年以上経験することが必要です。
また、試験は大きくわけて「会計学科目」と「税法科目」がありますが、会計学科目には受験資格が設けられていないので、年齢や学歴問わずチャレンジが可能です。一方で税法科目には学歴あるいは保有資格、その他実務経験などの諸要件があるので確認が必要です。
税理士の試験の特徴としては、科目合格制が採用されているため一度に必要な科目全ての合格を目指さなくても、毎年数科目ずつ合格を目指すことができます。
こういった特徴もあってか、社会人として働きながら税理試験の合格を目指して勉強をされる方も多いようです。

社会保険労務士

社会保険労務士(社労士)については、すでに過去ブログについて触れてきており、ぜひ過去ブログを辿ってご覧いただければと思うのですが、これまでに試験概要のほか、試験合格後の選択肢のひとつとなる「開業」の視点では、私の開業ヒストリー(専門誌に掲載実績あり)として紹介している過去記事があります。
仕事内容についても、独占業務である1号業務(労働・社会保険関係の書類の作成・申請等)や2号業務(労働・社会保険関係の法定帳簿の作成など)がメインとなる顧問契約をはじめ、助成金コンサルタントによる違法行為が問題となっている助成金メニューでの関与について述べてきました。
その他3号業務としてコンサル業務にも携わり、活躍の範囲は多岐にわたります。

土地家屋調査士

土地家屋調査士は、日本土地家屋調査士連合会のHPにも記載のある通り、「不動産の状況を正確に登記記録に反映することによって不動産取引の安全の確保、国民の財産を明確にする」といった使命を背負った専門家です。
土地家屋調査士になるには2通りの方法があり、1つは国家試験に合格する、もう1つは実務経験をもとに法務大臣の認定をうける方法です。受検に年齢や学歴による制限がなく、誰でも目指すチャンスがあります。

海事代理士

海事代理士は国土交通省管轄である国家試験「海事代理士試験」に合格して海事代理士として登録を受ける必要があります。
受験には学歴や年齢による制限はありませんが、海洋大学等への進学を経て海事代理士を目指す方が一般的なようです。
「海の行政書士」とも呼ばれる海事代理士ですが、一般社団法人 日本海事代理士会HPでは、海事代理士が取り扱う主な業務として以下が挙げられています。
・船舶の登記に関する手続き
・船舶の測度、登録に関する手続き
・船舶の検査に関する手続き
・船舶手帳、船員の雇入、船員就業規則などの船員の労働条件に関する手続き
・海技免状・小型船舶操縦者免許などの船舶に乗り組みための資格に関する手続き
・船舶による旅客運送、貨物運送または港湾運送などの船舶運航事業に関する手続き

合格後は、海事代理士事務所や行政書士事務所で活躍することができるほか、独立開業の道もあります。

公認会計士

監査や会計を専門とする公認会計士ですが、特に監査は公認会計士の独占業務のためメイン業務といえます。
そんな公認会計士になるためには国家資格を取得し、その後公認会計士としての実務経験等の諸要件を満たしたうえで登録する必要がありますが、受験自体に学歴や年齢の制限は設けられていません。といえども、やはり膨大な専門知識を理解する基礎学力は求められるため、一般的には大学等進学を経ている方が多いようです。
上述した「実務経験」として認められるためには、合格後に監査法人や会計事務所などで特定の業務を「3年以上」従事した経験が必要です。
業務内容を簡単にまとめると、次の通りです。
・監査業務
・税務/会計/経理業務
・コンサルティング業務
また、公認会計士は登録手続きを踏めば、税理士・行政書士として活躍することも可能です。

中小企業診断士

中小企業診断士は、その名称からもイメージが浮かぶように中小企業を相手に活躍する専門家です。具体的には、「中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家」とされます。一般社団法人中小企業診断協会HPでわかりやすく役割についてもまとめられていますが、中小企業診断士が活躍するシーンとしては、「中小企業の経営に関するコンサルティング」や「専門性をもった分析を通して経営改善計画書・経営診断書を作成」すること、またその知識を「講演等で発信」することなどが考えられます。

不動産鑑定士

不動産鑑定士は、 日本不動産鑑定士協会HPにもある通り、「不動産鑑定業務」や「コンサルティング業務」を業務としておこなう不動産の適正な利用に関する専門家です。全国に約8,000人ほどしかいないとされており、非常に希少価値が高い資格とされています。
不動産鑑定士の資格を取得するためには、試験に合格する必要がありますが、合格後に実務修習を受ける必要があるため、資格取得および登録までには最低2~3年かかるといわれいてます。

士業の人気ランキング

士業にあこがれる・・・!といったざっくりとした願望をお持ちの方も多いのでは。しかし、ここまででご紹介した内容ですでにお気づきかと思いますが、ひとくちに士業といってもそこにカテゴライズされる職業の領域は本当に多岐にわたるのです。
目指す士業を選ぶ方法には、難易度や受験資格、収入や独立の可否など様々あるかと思います。実際に、それぞれの視点・指標で「人気ランキング」をまとめたwebサイトも多くあります。たしかにこれらのランキングから夢を膨らませるのは、モチベーション向上のため需要があるのかもしれません。
しかし、これらの情報に惑わされすぎず、各士業の業務領域や活躍シーンを把握したうえで進む道を決めることをお勧めします。多くの場合、試験勉強のためには膨大な時間とエネルギー、そしてそれなりに費用もかかるものですからね。

士業のダブルライセンス

各士業の紹介でも述べたように、公認会計士が税理士登録もできるように、資格によっては登録手続きを経て他の士業分野をおこなうことも可能になるケースがあります。
このように1つの試験合格から複数士業に従事できるようメリットを活かして、対応できる業務範囲を広げる方もいらっしゃいます。
また、社労士と行政書士のようにそれぞれ別で試験に合格する必要があっても、ダブルライセンス・トリプルライセンスを取得してより広範囲のスペシャリストを目指す方もおられます。
そもそも各資格の難易度が高いですから、それらを複数持つことでより自身の付加価値を高められると考えてのことでしょう。
しかし、各資格には資格登録費用や維持費用もかかりますから、本当に複数ライセンスを保有することで良い効果が得られるのかは熟考する必要がありそうです。

士業に期待される役割

士業に期待される役割について考えてみます。
きっとこのブログをご覧になってくださった方の中には、士業にご興味をお持ちだったり、目指されている方もいらっしゃるかと思います。
士業は各領域のプロフェッショナルと表現しましたが、士業に限らず専門性の高い職業は他にもたくさんあります。その中でも士業に就くことによるメリットのひとつに、社会的信用の高さはよく言われることですよね。
このように社会的にも専門性の高い職業としての認知度がある分、士業に求められるパフォーマンスは高く、かつ常に高いパフォーマンスが発揮できる存在を維持し続けることが必須となります。
つまり、常にその分野でのプロであり続けることが1番の役割でしょう。
そのため各士業ともに試験合格で勉強を終えられるものではなく、合格した後も一生勉強が必要になる職業といえます。
その意味での厳しさはありますが、職業を通じて身につけ、そして日々ブラッシュアップされる知識は一生の財産になるのは間違いありません。その点で、こういった知識獲得の実感を得られやすいのも士業の魅力のひとつかもしれませんね。

おわりに

いかがだったでしょうか?
自身も士業に身を置くものとして、ぜひみなさんにも各士業を知っていただきたいとブログテーマにとりあげましたが、今回ブログを作成するにあたって改めて他士業について触れる良い機会となりました。
皆様にとっても今回のブログの内容が参考になると幸いです。
このブログでは、週に1度のペースで情報発信をおこなっています。ブログ文中でも各所で過去ブログへのリンクをご用意しているので、ぜひ興味のある部分の関連記事も併せてご確認くださいね。

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