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境界性パーソナリティ障害をご存知ですか?特徴や背景、付き合い方について

境界性パーソナリティ障害という病名を耳にしたことはありますか?

境界性に限らず、パーソナリティ障害には様々な種類があります。

今回は数あるパーソナリティ障害の中でも境界性パーソナリティ障害についてお届けします。

どういった特徴があるのか、どういった背景で引き起こされると考えられているのか。

実は、あの有名なマリリン・モンローも境界性パーソナリティ障害を患っていたとされています。

境界性パーソナリティー障害の主な特徴として、DSMでは「著名で持続的に不安定な自己像または自己意識」と定義されますが、マリリン・モンローは愛に枯渇した幼少期の自分と、大人になった自分との狭間で苦悩したと推察されています。

ブログの中でも触れますが、境界性パーソナリティ障害にとって対人関係は自分の心の穴を埋めるためにあり、他者からの関心と安心を常に求めてしまうために安定した人間関係を構築することが難しい傾向にあります。

参考書籍もご紹介しつつわかりやすく触れていきますので、ぜひ最後までお読みください。

目次

境界性パーソナリティ障害だけじゃない、そもそもパーソナリティ障害とは?

境界性パーソナリティ障害が今回のブログのメインテーマではありますが、「パーソナリティ障害」には様々な種類があります。
たとえば、以前にブログで取り上げた自己愛性パーソナリティ障害といったものもあります。
また、パーソナリティ障害は人格障害とも呼ばれており、障害年金を受けられないものの例として神経症といっしょにブログでご紹介したこともありました。
これまでのブログでも触れてきたことですが、パーソナリティ障害(人格障害)には境界性パーソナリティ障害にも次のようなものがあります。

・境界性パーソナリティ障害
・自己愛性パーソナリティ障害
・妄想性パーソナリティ障害
・回避性パーソナリティ障害
・演技性パーソナリティ障害
・反社会性パーソナリティ障害

タイプごとに分類はされていますが、いずれも偏った考え方や行動パターンのために家庭や社会の中でトラブルを起こしてしまう点で共通しています。
こうした周囲も巻き込んだ不都合が生じれば、パーソナリティ“障害”となってしまいますが、特性をある程度に留めることができれば、パーソナリティ“スタイル” つまり個性としてその人を輝かせる魅力にもなりうるものです。

しかしながら、どこまでが個性(性格)でどこからが障害なのか、精神科医であっても明確な線引きが難しいとされています。
実際に障害年金においてもパーソナリティ障害(人格障害)は程度にかかわらず原則受給対象外とされており、精神病の病態を示していない限り受給が難しいです。
このようにセーフティネットで救いきれない点では非常に困難が伴うものだと言えるでしょう。

境界性パーソナリティ障害の特徴

境界性パーソナリティ障害について知るために、写真の書籍『マンガでわかるパーソナリティ障害』を読みました。

この書籍は過去ブログでも別の書籍をご紹介したことのある岡田尊司さんによる監修がなされたものです。
松本耳子さんによるマンガを軸に構成されており、医師である岡田尊司さんの解説も噛み砕いて説明されており、入門編としてとても良い1冊だと感じました。

この書籍では、境界性パーソナリティ障害に関して解説するにあたって、「彼氏の気を引きたい彼女」と「その彼女に振り回される彼氏」といった登場人物で構成されたマンガが展開されています。
境界性パーソナリティと診断された彼女は、最高にハッピーな気持ちと最低最悪全部イヤ!な気持ちをくるくると行き来して、些細なことで傷ついてはどん底の気持ちに陥り自己嫌悪、そして自己破壊衝動へと気持ちに歯止めがかかりません。
こういった大好きと大嫌いが極端で行動と情緒が両極端に揺れ動いてしまう性質のため、対人関係も不安定で、相手を試すような行動も目立ちます。
境界性パーソナリティ障害の特徴として「自殺企図と行動による心理コントロール」が挙げられるのですが、これは依存対象からの見捨てられ不安からくるものです。そうして時には命を天秤にかけて揺さぶるので、支える側も疲弊してしまいます。
自己愛が強すぎたり、逆に弱すぎて自分を大切にすることができず、また、とても傷つきやすいといった性質も加わって、対等で信頼し合った人間関係を築きにくくさせてしまうのです。
このように非常に生きづらさが伴う境界性パーソナリティですが、若い女性に多く見られ、男性の約3倍、全人口の2%、精神科通院の約10%に認められるとされています。

以前弊社のGoogle最新情報でも触れたことがあるのですが、ドラマ「Shrink」でも境界性パーソナリティ障害が扱われており、やはり若い女性が患者として描かれていました。

境界性パーソナリティ障害には育った環境も影響する?

境界性パーソナリティ障害の引き金になる要因として、育った環境が大きな影響を及ぼすことがわかっています。
上の章で紹介した参考書籍マンガでわかるパーソナリティ障害でも、以下のように解説されています。

・境界性パーソナリティ障害の根っこには親へのこだわりがある
・親の病気、死亡、離婚などをきっかけに、必要な時期に親に十分な愛情と保護を与えてもらえなかったりすると引き金になりがち
・親からの愛情不足+核家族化→逃げ場のない密室での持続的なトラウマ→境界性パーソナリティ障害発症

また、付き合い方としては次のようなものが提唱されています。
・揺れ動きを止めようとして戦わない
・調子が良いときも悪いときもできるだけ変わらない態度で接する
・だまってうなずきながら聞くなど、気分のアップダウンをやわらげるようなあたたかいけれど冷静なリアクションを心掛ける
・ここまでは寄り添えるけれど、これ以上はダメという「限界ライン」をハッキリと告げる

マリリン・モンローの生い立ちに見る、境界性パーソナリティ障害の背景

冒頭でも触れましたが、マリリン・モンローも境界性パーソナリティ障害を患っていたといわれています。
上述したように境界性パーソナリティ障害を含むパーソナリティ障害には生い立ちが影響を与えることが多いとされていますが、境界性パーソナリティ障害では特に親との別離・親の死・養育者のネグレクトといった幼少期に経験したトラウマが起因するといわれています。
実際にマリリン・モンローも、心の病を抱えた母による養育が難しいために里親に育てられました。
参考:不安なモンロー、捨てられないウォーホル

おわりに

境界性パーソナリティ障害を抱えるひとに見られる「極端な思考や態度の変貌」や「興味をひくための揺さぶり行動」は、愛情に対する飢餓感から来るものだとわかっていただけたのではないでしょうか。
このことは、参考書籍(マンガでわかるパーソナリティ障害)においても「愛し下手」といった表現がされていて、非常にしっくりきました。
コントロールしきれない気持ちは本人が一番つらいのですが、支える側が翻弄されないためにも付き合い方には工夫が必要です。

このブログは、週に1度のペースで更新しています。毎週さまざまなテーマでお届けしているのでぜひ過去ブログも含めご覧ください。

「このブログを書いているのってどんなひと?」「このHPを運営している会社(社労士事務所)ってどんなところ?」と興味を持ってくださった方は、自己紹介動画(YouTubeで2分程度のアニメーションです)もご覧いただけると嬉しいです。

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