脳卒中の後遺症で障害年金の受給は可能?
脳卒中は要介護状態に陥る原因で最も多いものと言われているのをご存知ですか?
要介護状態になるということは、後遺症が残るということです。
後遺症を抱えながらの生活は、従来通りの生活というふうにはいきませんよね。
そうなると心配になってくるのがお金の問題。
脳卒中による後遺症でも要件を満たせば障害年金の受給は可能です。
このブログでは脳卒中に関する知識のほか、障害年金に関する情報もまとめています。
ぜひ、最後までお読みください。
目次
- ○ 脳卒中とは?
- ・脳梗塞
- ・脳出血
- ・くも膜下出血
- ○ 脳卒中の後遺症について
- ○ 脳卒中の後遺症での障害年金受給
- ○ おわりに
脳卒中とは?
脳卒中とひとくちにいっても、実は①脳梗塞/②脳出血/③くも膜下出血の3種類にわけることができます。
このうち①脳梗塞は脳の血管がつまった状態によるものですが、②脳出血と③くも膜下出血は脳の血管が破れた状態のことを指します。
前兆の有無や発症時の状況にも微妙な違いがあるなど、それぞれに特徴があるので、詳細について以下紹介します。
なお、ここで扱う脳卒中に関する知識は、法研より出版の下正宗先生による監修の以下の書籍を参考にしています。タイトルの通りイラストを交えてわかりやすく説明してくれているので、こちらもぜひお手に取ってみてくださいね。
⇒書籍情報はこちら
脳梗塞
脳卒中のうち「脳梗塞」は、脳の中の血管がつまったり狭くなったりして、血流が妨げられることにより起こります。
さらに脳梗塞はつぎの3つのタイプに分けることができます。
主に動脈硬化によって脳の細い動脈の血管壁が厚くなり、内腔が狭くなったりつまったりすることが原因。
症状は比較的軽く、梗塞が起こっても症状が現れない「無症状性脳梗塞」や、小さな梗塞が何か所にも起こる「多発性脳梗塞」も少なくない点が特徴。
血管の壁に沈着したアテロームによって血管が狭くなり、さらにアテロームを覆う膜が傷つくとそこに血小板が集まり血栓が形成されることが原因。
前兆(前触れの症状)として、TIA(一過性脳虚血発作)がよく見られるといった特徴がある。
※TIA(一過性脳虚血発作)とは、脳梗塞に似た症状が現れるが、数分~1日で治まる。
脳梗塞の前触れとして、脳梗塞の人の約3割に見られる。
おもな症状としては、「めまいやふらつき」「体の片側の麻痺やしびれ」「視野の半分が欠ける/物が二重にみえる」「舌がもつれる/言葉が出てきづらい」などが挙げられる。
心房細動などの心臓病によって心臓に血栓ができ、その血栓が血流にのって運ばれ脳の血管につまるのが原因。
心臓でできる血栓は大きくて溶けにくいため、脳の太い血管を突然詰まらせ重症化しやすいといった特徴がある。
脳出血
脳出血は脳の中の細い血管が破れた状態をいい、その原因としては高血圧が多いと言われています。
というのも、高血圧の状態が続くと脳内の血管に動脈硬化が起こり血管がもろくなってしまいます。
すると、血管壁に脳内小動脈瘤といわれる小さなこぶができやすくなり、血圧の急変時※にそのこぶが破裂(=脳出血)してしまいます。
また、脳梗塞であげたTIA(一過性脳虚血発作)ような前兆はあまり見られず、突然発症することがほとんどとされています。
※血圧の急な変化が起こりやすい状況として、わかりやすい例に「温度変化」が挙げられます。真夏や真冬のように外気と屋内の温度に差がある時、その出入りで血圧の変化も生じやすくなります。
その他にも、入浴や排便といった行動も発作のきっかけになりやすいとされています。
くも膜下出血
くも膜下出血は、「脳の表面の血管が破れてくも膜下出腔に出血が広がる病気」をいいます。
くも膜下出血になる原因としてもっとも多いとされているのが、血管の分岐点などにできた脳動脈瘤が破裂するケースとされています。
くも膜下出血も前述した脳出血と同様に前ぶれがないことが特徴で、くも膜下出血発症時の様子として「後頭部をバットでなぐられたような痛み」と形容されるように、はげしい痛みを伴うことが多いのも特徴です。
脳卒中の後遺症について
脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)は脳にダメージを受けるため、どの機能を司っている部分を損傷したのか・どの程度損傷したのかで後遺症にも多様なバリエーションが想定されます。
例えば良く知られた体の麻痺のような運動障害のほか、失語症などに代表される高次脳機能障害、物の触れた感覚や温度に対する感覚が鈍くなる感覚障害などがあります。また、うつ・不眠を伴う精神症状などもあり、本当に後遺症の現れ方が人それぞれなのです。
脳卒中の後遺症での障害年金受給
脳卒中による後遺症でも諸要件を満たせば障害年金を受給することが可能です。
障害年金では障害によって用いる診断書の種類がことなりますが、脳卒中だからこの診断書様式というわけではなく、脳卒中によってどんな後遺症がのこり生活に支障があるのかで診断書様式を選定します。
例えば体に麻痺が残ったのであれば肢体の障害用の診断書を用いますし、高次脳機能障害に分類される後遺症が残ったのであれば精神の障害用の診断書を用います。
ただ、どれだけ障害の程度が重くても、「年金の納付状況」が要件を満たせていないと、受給はできません。
障害年金を受給するためには、初診日の前日時点で、初診日の属する月の前々月までの期間のうち2/3以上ついて保険料が納付済みあるいは免除されていることが必要です。(期限付きで特例措置もありますが、原則はこの考え方です。)
おわりに
脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)をメインテーマに、それによる後遺症や障害年金についてご紹介しました。
これまでにも脳卒中に関連したブログ記事も更新しているので、ぜひそちらもご覧いただけると嬉しいです。
また、このブログを読んでくださったことをきっかけに皆さんの自主的な情報収集につながれば良いなと考えており、今回のように書籍や時には映画など、関連コンテンツをご紹介するよう心がけています。
過去に取り上げた参考書籍をいくつかピックアップしたので、興味関心に近いものがあればぜひご覧ください。
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日本で多く取り入れられているユング派(ユング心理学)をテーマにしたブログでご紹介した書籍です。
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