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石村嘉成展@兵庫県立美術館に行ってきました!

石村嘉成展(兵庫県立美術館での会期は2024年10月12日から12月8日)に行ってきました!

鮮やかな色使いで描かれた生き物や石村さんによる空想の生き物がたくさん展示されていて、その迫力に圧倒されます。

見出しの写真のように大きな絵(写真では歪みが生じていますが、本物は平面の絵です)から、絵日記まで。

作品のバリエーションが様々で終始わくわくして鑑賞しました。

展示の終わりにグッズコーナーも設けられているのですが、さっき見たばかりの作品たちが素敵なグッズになっていて思わず手にとってしまいました。

とっても魅力にあふれた展示会、ぜひみなさんにも足を運んでいただきたい!!

…ということで、今回のブログは “石村嘉成展レポ” でお届けします。

みなさんの興味関心に少しでもつながればうれしいです。

目次

石村嘉成展@兵庫県立美術館が開催中です

石村嘉成展が現在、兵庫県立美術館のギャラリー棟3階で開始されています。

私がこの展覧会を知ったのは、“森泉さんが「大ファン」と公言する自閉症の画家”という見出しのニュースを目にしたのがきっかけでした。
何気なく開いたネットニュースの記事でしたが、読み進めていくうちに興味が沸き、でもどうせ東京でしょ~と思っているとなんと兵庫県立美術館で開催!!!2024年10月12日からの開催ということで、さっそく10月14日に行ってきました。
午前中のうちに入場したのですが、すでに多くの人が来られていて注目度の高さを実感しました。
触れない距離から各作品の撮影が許可されていたので、肉眼で見とれてはシャッターを切るを繰り返し隅々まで作品を味わうことができました。

印象的だったのは、お子さんの参加が多かったことです。美術館というと静かに鑑賞するイメージから、なかなかお子さんのいるご家庭にとってはハードルが高い場所ですよね。
作品のモチーフが生き物ということもあってか、小さなお子さんもたくさん見かけました。
また、次の章で触れますが石村嘉成さんは自閉症の画家です。そういったバックボーンへの関心からか、恐らく同じ障害を抱えているであろう当事者とご家族もおられたように思います。
障害特性から大きな声を出したり駆け出したりといった行動がありますが、石村さんの作品がそうさせるのか展示会場全体がおおらかな空気をまとっていて、どんな鑑賞者をも受け止めているように感じました。

石村嘉成さんとは?

石村嘉成さんは自閉症の画家というアイデンティティをお持ちです。
写真は会場にあったプロフィールのパネルなのですが、そこにも書かれているように2歳で自閉症の診断が下り、その後親子で療育に励んでこられました。
療育を中心とした親子の歩みは次の章で取り上げる『自閉症の画家が世界に羽ばたくまで』で知ることができるのですが、いまは亡きお母さんの療育日記が随所で紹介されていて、いかに壮絶な取り組みだったのかが伺えます。
石村嘉成展では石村嘉成さんによる絵画が多数展示されていますが、その傍らで1通の直筆の手紙が展示されています。この手紙はお母さんから嘉成さんの担任の先生に宛てた手紙なのですが、その内容からは、療育は家族だけ完結するものではなく、学校も含めた本人を取り巻く環境すべてで成り立つのだなと感じました。

各メディアでも取り上げられています!



石村嘉成さんとご家族の物語『自閉症の画家が世界に羽ばたくまで』

石村嘉成展のショップで、ポストカードやポスターも購入しましたが、写真にある書籍『自閉症の画家が世界に羽ばたくまで』を購入しました。
こちらの書籍は、嘉成さんの父である石村和徳さんと母の石村有希子さんによる共著とされています。本書の冒頭で編集者の石黒謙吾さんも触れていますが、亡くなっている方が共著者として名を連ねることはとても特殊です。それでも共著としたのは、本書の主題である療育が亡き有希子さん無しでは語れないからです。
2歳で自閉症と診断が下ってから現在まで、家族で療育に励んだ記録がこの1冊に凝縮されています。
診断当初は途方に暮れておられたご両親ですが、療育センターで良き専門家と出会ったところから嘉成さんの療育の道が拓けます。
嘉成さんの将来を見据えての愛ある厳しい療育を施した結果、通常学級に在籍したり、高校受験や大学受験を経験したりと嘉成さんはチャレンジングな人生を歩まれます。
そうして家族総出で嘉成さんの可能性をあきらめずに人生を切り拓いてきたからこそ、様々な出会いやチャンスにも恵まれてこられたように思います。
嘉成さんが美術と出会われたのは高校の選択授業でのことですが、それだって一般の高校への入学をあきらめず挑戦した先にあった良縁です。
嘉成さんの画家人生は、運が良かった・才能があっただけで語れるものではなく、幼少期から地続きのひとつひとつの歩みの先に拓けたのが画家としての自立だったことがわかります。
嘉成さんと同じ自閉症のお子さんを抱える方のみならず、広く読み手の気持ちに響く内容となっているので、ぜひ読んでみてください!

石村嘉成展にぜひ足を運んでみてください!

石村嘉成展のすばらしさについてご紹介してきましたが、伝えきれないほどの魅力があるのでぜひ実物を観に行かれることを強くおすすめしたいです!
また、これから石村嘉成さんとご家族の療育記録をモデルにした映画青いライオンも上映されます。(兵庫県ではkino cinema神戸国際にて11月15日~)
すっかり石村嘉成さんのファンになってしまった私ですが、今後もご活躍を追っていきたいです!

このブログでは、毎回様々なテーマで情報発信しています。週に1度のペースで更新しているので、ぜひお読みいただけると嬉しいです。
ブログの中では今回のように関連書籍や参考図書をご紹介することも心掛けており、ブログ記事を読んでくださった方にとって興味関心のきっかけにつながればと考えています。

『雑草学研究室の踏まれたら立ち上がらない面々』/稲垣栄洋 著
世代間コミュニケーションをテーマにしたブログでご紹介した書籍です。
『ヤングケアラーの歩き方 家族グレーゾーンの世界を理解する本』/大庭美代子 著
ヤングケアラー特有の悩みや周囲ができる支援、その他活用できる社会資源についてまとめたブログでご紹介した書籍です。
『こう見えて失語症です』/ 米谷瑞恵 著
失語症について理解を深めてもらうことを目的にまとめたブログでご紹介した書籍です。
『人は迷いをどう解きほぐせるか フロイトかユングかアドラーか』/杉山崇 著
日本で多く取り入れられているユング派(ユング心理学)をテーマにしたブログでご紹介した書籍です。
『不安なモンロー、捨てられないウォーホル 「心の病」と活きた12人の偉才たち』/クラウディア・カルブ 作 葉山亜由美 著
ためこみ症をメインテーマに、みんなが知っている偉人も生きづらさを抱えていたことが知れる本としてブログ中でご紹介しました。
『雑草学研究室の踏まれたら立ち上がらない面々』/稲垣栄洋 著
世代間コミュニケーションをテーマにしたブログでご紹介した書籍です。
『ヤングケアラーの歩き方 家族グレーゾーンの世界を理解する本』/大庭美代子 著
ヤングケアラー特有の悩みや周囲ができる支援、その他活用できる社会資源についてまとめたブログでご紹介した書籍です。
『こう見えて失語症です』/ 米谷瑞恵 著
失語症について理解を深めてもらうことを目的にまとめたブログでご紹介した書籍です。
『人は迷いをどう解きほぐせるか フロイトかユングかアドラーか』/杉山崇 著
日本で多く取り入れられているユング派(ユング心理学)をテーマにしたブログでご紹介した書籍です。
『不安なモンロー、捨てられないウォーホル 「心の病」と活きた12人の偉才たち』/クラウディア・カルブ 作 葉山亜由美 著
ためこみ症をメインテーマに、みんなが知っている偉人も生きづらさを抱えていたことが知れる本としてブログ中でご紹介しました。

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