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転職回数は本当に多いと不利なのか ~キャリアは「積み上げるもの」だけではないという視点~

転職回数が多いと不利になる――。そんなイメージを持つ人は少なくありません。

確かに採用選考において転職回数が見られることはありますが、一方で転職を重ねることで自分に合った仕事や働き方を見つけている人もいます。

近年は終身雇用を前提とした働き方が変化し、キャリア形成の考え方も多様化しています。

本記事では、転職回数に関する一般的な傾向や採用現場で見られているポイントを整理しながら、転職を通じて見えてくる「自分らしい働き方」について考えてみたいと思います。

目次

転職回数が多いと不利になると言われる理由

転職回数について相談を受けると、「もう3回も転職しているので不利でしょうか」「履歴書を見た時点で落とされるのではないでしょうか」という不安の声を耳にすることがあります。

実際、採用担当者が転職回数を確認することは珍しくありません。
その理由は単純で、「またすぐ辞めてしまうのではないか」という懸念を持たれがちですが、それは企業は採用活動や教育に多くのコストをかけているため、短期間で離職されることは大きなリスクになるからです。
特に数か月単位での離職が何度も続いている場合は、その理由について確認されることが多いでしょう。

ただし、ここで注意したいのは、「転職回数が多い=不採用」という単純な話ではないということです。
採用担当者が見ているのは回数そのものではなく、その背景や経緯であることが少なくありません。

実際の採用現場は「理由」を見ている

近年は転職そのものが珍しい時代ではなくなりました。

かつては一つの会社に勤め続けることが理想とされていましたが、現在はキャリアアップや職種転換、働き方の見直しを目的とした転職も一般的になっています。

そのため採用現場では、「なぜ転職したのか」「転職を通じて何を学んだのか」「次の職場では何を実現したいのか」といった点が重視される傾向があります。

例えば、営業職から人事職へ/接客業から福祉職へ/事務職からIT業界へといった一見無計画な転職であっても、その過程に一貫した意図や学びが見える場合には、むしろ評価につながることもあります。

反対に、転職回数が少なくても、「なぜその会社を選んだのか分からない」「退職理由の説明が曖昧」という場合には、採用側が不安を感じることもあります。

重要なのは回数よりも、キャリアのストーリーなのかもしれません。

転職を重ねることで見えてくるもの

転職に対しては、「キャリアが積み上がらない」という見方もあります。

確かに同じ会社で長く働くことでしか得られない経験もありますが、異なる業界を経験したことで、「自分には向いていない仕事」や「自分が得意なこと」に気づく人がいるように、転職を通じて初めて見えてくるものもあります。

キャリア相談の現場では、「何がやりたいか分からない」と言っていた人が複数の職場経験を経て、「自分は人の相談を聞く仕事にやりがいを感じる」「企画よりも現場で動く方が向いている」など、自分自身の特性を理解していく場面は少なくありません。

むしろ、人生の早い段階で自分に合う環境や仕事を一度で見つけられる人の方がむしろ少数派なのかもしれないと考えると、転職を重ねることは恥じることではないともいえます。

オススメ書籍『転職ばっかりうまくなる』が問いかけるもの

こうした視点を考えるうえで興味深いのが、以前にもご紹介したことのある、ひらいめぐみ氏の著書『転職ばっかりうまくなる』です。

著者は20代で6回の転職を経験し、営業、Webマーケティング、書店スタッフ、広報、編集・ライターなど様々な仕事を渡り歩いています。

本書は一般的な転職ノウハウ本というより、「転職を通して自分自身を知っていく過程」を描いたエッセイです。

決してやみくもな転職を推奨する内容ではなく、著者が多様な職場を経験する中で、自分が何に違和感を覚え、どのような環境で力を発揮しやすいのかを探っていく姿が描かれています。
また、読み終えたあとには、「合わない環境から離れることも選択肢である」というメッセージを受け取った実感もありました。

私たちは転職というと、「成功か失敗か」で考えがちですが、本書を通じて転職の価値は条件改善だけではなく、「自分を知るための経験」にもあることに気づかされます。

おわりに

転職の成功というと、年収が上がった/大企業に入れた/管理職になったといった分かりやすい成果を思い浮かべるかもしれません。もちろんそれらも重要な指標ですが、実際は「自分に合う働き方が見つかった」「苦痛だった働き方から抜け出せた」「長く続けられる仕事に出会えた」ことを成功と感じる人も少なくありません。

つまり転職回数が多いこと自体が問題なのではなく、転職を繰り返しても同じ課題に向き合えていない場合に苦しくなります。

転職は単なる職場の移動ではなく、自分自身を知る機会にもなります。

一つの会社で長く働くことにも価値がありますが、一方で複数の職場を経験することでしか得られない気づきもあります。
大切なのは転職回数の多さや少なさではなく、その経験を通じて何を学び、次にどう活かしていくかではないでしょうか。

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